中国では近年、人口危機が顕著化し、深刻な高齢化や教育資源の偏在により、出産適齢者が子供を持つべきかどうか冷静に考えるようになった。海外メディアは最近、中国当局が少子化を救うために、政府部門が定期的に新婚夫婦に電話をかけて「早めの妊娠」を促していると報じた。
英紙テレグラフによると、10月27日、あるウェイボー(微博)ユーザーは、新婚の同僚が南京市政府の衛生局から電話を受け、妊娠の予定はいつかと尋ねられ、「妊娠中の知識を提供」できると言われたと投稿した。また、「新婚夫婦が1年以内に妊娠に成功することを願う」という目的で、四半期ごとに電話をかけることが、この部署の仕事の要求であったとも言われている。
最初は地域の防疫課からの電話だと思ったこの同僚は、とても怖がり、電話に出て出産を促す電話だとわかると「さらに怖くなった」という。
その後、数千人のネットユーザーが同様の電話を受けたと投稿した。しかし、これらの投稿は数時間後に削除された。
近年、中国の人口問題はすでに社会全体の関心事となっている。中国共産党公安部は昨年、2020年の新生児出生数は1003.5万人で、2019年より400万人以上減少したと発表した。2016年から2018年までの新生児数は、それぞれ1786万人、1723万人、1523万人であった。新生児の出生数の急激な減少は、当局に警鐘を鳴らすものである。
若者が結婚や出産を好まない理由はさまざまだが、そのほとんどが生活上のプレッシャーと関係している。多くの人は結婚前にすでに住宅ローンや車ローンに直面しており、結婚後に子供を産んだ後の生活コストはさらに重くなる。
中国の住宅価格は非常に高く、特に一線都市(北京、上海、広州市、深セン市の4都市)では一生かかっても家が手に入らないこともある。また、1平方メートル(約0.3坪)当たり20万元(約400万円)から40万元(約800万円)もする「学区房(優れた学校の学区内に立てられている住宅)」や、高い塾代などは、これらが「最高の避妊薬」であるというネットユーザーがいた。
また、前世紀の「家族計画(計画生育)」時に、中国共産党が主張した「国家年金」の保障も、その後は全く実現されていなかったことに、若者たちは疑問を抱いた。政府には信用がないため、2人目、3人目を産んだら、政府は考えを変え、補助金のない共働きの家庭は2人以上の子供を養えなくなるのではないかと心配する人が多いのだ。
(翻訳・藍彧)