中国地方銀行の資金繰りが厳しくなるにつれて、預金者たちが預金を引き出すこともますます難しくなっている。特に故人の遺族にとってはそうである。
広東省仏山市(ぶつざんし)のある預金者の家族がこのほど、本人が来ないと預金を引き出せないと銀行に難癖をつけられたため、家族は仕方なく、棺を銀行にまで運んだというニュースがネットに流れた。
10月30日、ネット上に流れた動画では、「順徳(じゅんとく)農商銀行」の前で、数人が棺を運んできて、道端で待つ同銀行の職員が、棺を確認した後、喪服を着たとみられる遺族と交渉している様子が映っている。
情報筋によると、この事件は仏山市順徳区龍江町(りゅうえちょう)で発生した。銀行側は遺族の預金の引き出しを拒否し、必ず本人が来なければならないと要求したため、家族は棺で「本人」を運んできたという。
預金者が死亡し、家族がなかなか預金を引き出せないという現象は、数年前から続いており、新華社通訊も数年前に関連する事件を報じていた。このほか、大小さまざまなメディアで報道されているが、問題は解決しておらず、中国メディアの報道から判断すると、近年はさらに深刻な現象になっているようだ。
例えば、ある女性は、長年扶養していた叔母が亡くなった後、銀行から「相続権利はない」「叔母の貯金は国のものだ」とはっきり言われたと述べた。
実は、故人だけでなく、生きている人も預金を引き出すのも容易ではない。当局は、預金者が大口預金を引き出す際、事前に予約と届け出を義務付けている。最近では、多くの銀行が「詐欺防止やマネーロンダリング防止」を理由に、預金者の「利用限度額」を制限している。また、預金者の預金が盗まれたり、不正に流用されたりなどの事件が頻発している。
(翻訳・藍彧)