米空軍大学の中国航空宇宙研究所(CASI)は24日、人民解放軍ロケット部隊の組織構造に関する報告書を発表し、内部の人事構成や全国への配置状況などを詳細に説明した。

 中国航空宇宙研究所のこの255ページに及ぶ報告書は、中国軍のロケット部隊の組織構造について、上層部の指揮システムから後方支援製品基地まで、基地の住所、部隊の主要機能、責任者の中国語と英語の名前、部隊番号などの詳細情報を掲載している。報告書には、ロケット軍の各部門の主要責任者の写真、名前、お互いの関係がツリー図で示されている。また、全国のロケット部隊の配置を中国の地図上に示した。

 この報告書の著者である中国航空宇宙研究所のブレンダン・S・マルバニー(Brendan S. Mulvaney)所長は、これは確かに、これまでに発表されたロケット軍の組織構造に関する最も包括的な報告書であると述べた。「習近平中央軍事委員会主席の指導のもと、人民解放軍ロケット部隊の拡大について、極めて具体的なメッセージを伝えている」

 報告書は、ロケット軍が1960年代から長距離ミサイルを研究し始め、1980年代に中距離弾道ミサイル「DF(東風)-21」を先駆的に開発し、近年はより高性能な中距離弾道ミサイル「DF-26」や極超音速滑空機「DF-17」を保有していることに言及している。ロケット軍の部隊も年々拡充され、2017年から2019年末にかけて、わずか3年間で29旅団から39旅団に増加した。

 この中国ロケット軍に関する報告書は、第20回党大会の直後に公表され、その実用化の可能性に疑問が呈された。

 台湾の国防安全保障研究院軍事戦略産業研究所の蘇子雲所長は、この報告書は米国の情報能力を示しており、必要ならばこれらのミサイルを根絶することさえ可能であると述べた。

(翻訳・藍彧)