中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)の期間中、広西チワン族自治区や湖南省で大規模な山火事が発生した。しかし、中国メディアは関連ニュースに対して完全に沈黙し、第20回党大会が終わるまで、一切報じなかった。一般市民が行った追悼デモの生中継も遮断され、ネットで封殺された。
10月28日、元中国メディア関係者の趙蘭健氏は大紀元に対し、湖南省永州市(えいしゅうし)新田県(しんでんけん)の山火事が10月17日に発生し、県内ほぼ半分の地域が火に囲まれ、7日間燃え続けたと述べた。第20回党大会期間中のため、複数のプラットフォームからこの山火事に関する情報が削除された。
趙蘭健氏によると、現在の救援活動は北京当局に引き継がれているという。湖南省は10月24日午後、中央当局に火事のことを報告した。その後、雲南省のエース消防隊を含む80台以上の軍用車両が北京から派遣された。火勢は未だに収束しておらず、新田県の門楼下ヤオ族郷(もんろうかやおぞく)や金陵鎮(きんりょうちん)は焼き尽くされた。火災は広範囲に広がり、隣接の祁陽市(県級市)方面に向かって燃えている。
趙蘭健氏は、火災の悲惨さが隠蔽されただけでなく、消火活動で犠牲になった消防士2人のために市民が行った大規模な追悼式のニュースも統制されていると述べた。追悼式は開始直後にライブ配信されていたが、なぜかすぐにブロックされたという。趙蘭健氏は、このライブ配信の追悼式が確かに政府の許可のもとに企画されたものだと述べた。しかし、追悼式は午前中に開かれ、昼には動画がすべて削除された。
ネット上に流れている動画では、道路に詰めかけた大勢の地元の人たちが、大きな追悼の横断幕を掲げている様子が映っており、行進行列が盛大だった。高いところから見ると、横断幕がびっしり、デモ行進隊も延々と続いている。道の両側には花を手にする市民たちがいる。
趙蘭健氏は、現地には他にも焼死した市民がいるに違いないとし、そうでなければ、憤慨を伴うこれほど大規模なデモ行進を行わないはずだと述べた。
趙蘭健氏はまた、湘雅病院でさらに3人の消防士が亡くなったと明らかにした。
永州市の市民、陳さんも大紀元に対し、「軍人がたくさん犠牲になった。しかし、庶民の死傷者はニュースに出るはずがない」と証言した。
(翻訳・藍彧)