中国の富裕層やエリート層は、習近平氏の前例のない任期延長により、中国の将来について悲観的になっている。ポケットからお金が消えることを心配するだけでなく、自身の安否をも懸念し、習氏の無期限支配が実現する前に中国から脱出することを計画している人が増えている。英メディア「フィナンシャル・タイムズ」最近の記事で分かった。
記事によると、中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)は、中国の企業エリートにとって重要な転換点になる可能性があるという。これまで、習氏は党内の圧力にさらされ、ゼロコロナ政策や当局のビジネス領域への統制を緩ませるのではないかと、部外者は推測していた。しかし、第20回党大会以降、その可能性はますます薄くなってきた。
記事はまた、上海や北京などの入国管理局がこれらのエリートから申請を受けていることを明らかにした。エリートらは「卓越した成功者」などの米国のグリーンカード(米国永住権)を獲得しようとしている。
記事によると、かつて香港は、中国の富裕層とエリートらの資産保管地や住居地として人気があったと、複数の弁護士事務所の取締役やパートナーが語った。しかし、北京が香港への統制を強化した後、富裕層らはシンガポールに目を向け、家族の移民と資金の移動を同時に行えることを望んでいるという。
中国や香港の富裕層と長く仕事をしてきたヨーロッパの弁護士、デビッド・レスペランス氏は、これらの中国の富豪たちが、中国共産党が「共同富裕」における自発的な寄付を、噂される高い税制に置き換えることを懸念していると語った。同時に、ジャック・マー氏や肖建華氏(中国系カナダ人の富豪)のようになるのではと、自分たちの身の安全や末路を心配している。
(翻訳・藍彧)