中国共産党第20期中央委員会第1回全体会議が23日に北京で行われ、中央政治局委員、中央軍事委員会、中央規律検査委員会の名簿が発表された。この結果は、習近平氏の権力掌握力が毛沢東を上回ったことを示すものだと考える専門家もいる。
中国公式メディアによると、常務委員に選出されたのは、習氏のほか、李強氏(新任)、趙楽際氏(再任)、王滬寧氏(再任)、蔡奇氏(新任)、丁薛祥氏(新任)、李希氏(新任)であり、いずれも習氏に忠実とみられている。習氏は毛沢東以来最も強力な指導者としての地位を確固たるものにした。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校の史宗瀚准教授は、全ての政治局常務委員のメンバーが習近平の派閥から来ただけではなく、習氏は確立された年齢の慣習を遵守せず、新しいものを提案することさえせずにこれを達成したのだと分析した。「彼(習氏)は権力に制限のない指導者のように振る舞った」。
国際問題専門家の汪浩氏はラジオ・フリー・アジアに対して、習氏の権力は既に毛沢東を超えたと述べた。毛沢東の時代でも、さまざまの野戦軍や派閥のバランスなどを考慮しなければならなかった。しかし、習氏は完全に自分の人を使うことができた。三代にわたる元老の王滬寧氏を除いて、ほかの人が常務委員を務められるのは、習氏が個人的に権力を握っているからだ。
総理候補として目されていた胡春華氏、汪洋氏と李克強氏の退陣で、共青団を基盤とする派閥「共青団派」は全滅した。特に、現在の共青団の指導者である胡錦濤氏が、会場から突然に「退席された」疑いがかけられたシーンは、世界を唖然とさせた。
産経新聞台北支局長の矢板明夫氏は、「中国共産党の一貫したやり方によれば、次は当然、『共青団派』の残党を清算することであり、また壮絶な内部闘争になることが予想される」と述べた。
一方、中国共産党内部では、経済発展や米国との良好な関係を築くと主張する派閥が潰され、核心グループが習近平派だけになったため、今後の中国はさらに閉鎖的で権威主義的なものとなっていくだろうと不安視する人が多い。
(翻訳・吉原木子)