製造業(イメージ / pixabay CC0 1.0)

 心理社会学の専門家で研究者、エッセイストでもあるジョン・マック・グリオン氏は17日、英文エポックタイムズの記事で、「ゼロコロナ」政策など他の要因によって、中国のビジネス環境が悪化していると述べた。インド、ベトナム、メキシコが台頭し、中国の「世界の工場」の地位に取って代わる可能性がある。

 グリオン氏は記事の中で、中国が影響力を失い、衰退していると指摘した。頻繁に起こる停電や、中国共産党が執拗に進める「ゼロコロナ」政策によって、企業は大きな打撃を受けている。このため、中国は、アップル、グーグル、サムスンなどの大手企業の信頼を失っている。このハイテク大手3社は、ベトナムへの業務移転を進めている。

 安価な労働力と中国への近さのおかげで、ベトナムは、中国当局の継続的な封鎖と生産妨害にうんざりしている大企業にとって、かなり有利な環境を提供しているようだ。

 例えば、台湾に本社を置くアップルのスマートフォンメーカーであるフォックスコンは、最近、ベトナム北部の都市ハノイにある工場を拡張するため、ベトナムの不動産会社「キンバック・シティー・デベロップメント・ホールディング」と3億ドル(約447億円)の契約を締結した。

 ベトナムのほか、インドやメキシコも世界の製造拠点となる潜在力を持っている。アップルは最近、より多くの生産を中国からインドに移す計画を発表した。ベトナムと同様、インドも急速に経済が拡大している。インドはまもなく世界で最も人口の多い国になる。一方、メキシコは米国南部の国境沿いという好立地に加え、「北米や大西洋・太平洋の貿易ルートへの便利なアクセス」を提供している。

 戦略国際問題研究所(CSIS)「アジア海洋透明性イニシアチブ(AMTI)」のディレクター、グレッグ・ポリング氏は、多くの企業がもはや中国の将来を楽観視しておらず、米国との貿易戦、労働力コストの上昇、COVID期間中のサプライチェーンの中断を経て、中国共産党の「ゼロコロナ」政策は「ラクダの背骨を折る最後の藁(わら)」と見なされていると述べた。

 では、上記の国のいずれかが、中国に代わって世界の工場になることができるだろうか。多くの人にとって、この問題はでたらめなようだが、不可能ではない。もし、多くの企業が中国から撤退し、他の国に事業を移せば、世界は徐々に中国への依存を減らしていくだろう。これは容易ではないし、時間もかかる。だが、それはできることだ。

(翻訳・藍彧)