中国総領事館職員と抗議者が衝突した。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国共産党第20期全国代表大会(第20回党大会)の初日、英国中部マンチェスター在住の香港人が「政権に立ち向かえ、中国領事館を包囲せよ」という活動を開始した。中国総領事館職員と抗議者が衝突し、在英香港人の安全が懸念される。

 英国在住の香港人が16日、マンチェスターの中国総大使館前に集まり、第20回党大会の開催に反対する抗議デモを行った。

 中国大使館の男女二人の職員が午後2時半、習近平の肖像画を通りから撤去するよう中国当局からの指示を受けたと述べた。

 抗議者は、英国の集会自由に基づいて、肖像画は公共の場に置かれたものであり、中国側に干渉する権利はないとしている。

 その約10分後、領事館側は暴動鎮圧用装備を身に着けた約10人を派遣した。彼らが領事館の外に出て、タテ看板を敷地内に持ち去ろうとすると、それを阻止しようとする抗議者との間で衝突が起きた。

 BBCによると、総領事館から出てきた複数の人物が、香港の自由を訴えていたデモ参加者の男性1人を敷地へ連れ込み、殴るなどして暴行した。現場にいた警官が敷地に入って男性を救出。負傷した男性は、英国では「言いたいことを言う自由がある」と強調した。

 事件当時、総領事館前には「天滅中共」(天が中国共産党を滅ぼす)と書かれた看板や、習近平総書記を「裸の王様」に模したポスターが置かれていた。ネットに出回っている映像には、複数の人物が看板を壊しポスターを奪い去る場面が収められている。

 事件後、現場には警察が介入し、逮捕者はいなかった。抗議デモの主催者は、英国内で中国総領事館職員が暴力を振るっていることを批判し、在英香港人の身の安全を懸念した。

 地元警察が捜査を進めていて、衝突の報告を受けたイギリス首相官邸も深い懸念を示した。

(翻訳・藍彧)