カナダの人権弁護士デイビッド・マッタス氏は24日、東京都の国会参議院議員会館で、中国で起きている生体臓器摘出の問題について講演を行った。
講演のタイトルは「中国における集団虐殺と臓器収奪」であった。マタス氏は講演の中で、中国共産党による生体臓器摘出の主な被害者は法輪功学習者と新疆ウイグル族であると指摘した。法輪功学習者の数が少なく、臓器移植のニーズを満たせないため、中国共産党は2017年からウイグル人の大規模な生体臓器摘出を実施し始めていると述べた。
マタス氏は、中国共産党は法輪功学習者、新疆ウイグル族、チベット人、中国家庭教会のメンバー、内モンゴル人、香港人など、中国共産党の支配下にあるすべての人々が生体臓器摘出の対象にされているとみている。そのため、中国共産党が台湾を占領することができれば、台湾人も生体臓器摘出の対象になるとマタス氏は考えている。
マタス氏は、中国における生体臓器摘出の犯罪は組織的かつ系統的な犯罪であることを強調した。中国共産党政府の統括の下で、警察、刑務所、病院が密接に連携し、組織的な臓器移植ラインを形成している。
マタス氏の1時間半近くの講演の後、複数の人権団体の代表も短い発言をした。
NPO法人日本ウイグル協会のハリマト・ローズ副会長はスピーチの中で、最近、10代の子どもから70代の高齢者まで、300万人のウイグル人が刑務所のような収容所に拘束されているという証拠がたくさん流出していると述べた。ローズ氏は、友人の葬儀に参列しただけで当局に逮捕された6人の高齢者と、親が逮捕されただけで一緒に逮捕された6人の子どもの写真を提示した。
ローズ氏はまた、新疆ウイグル自治区の空港に、臓器を迅速に輸送するための専用通路が開設されていることを示す写真を提示した。このことから、新疆ウイグル自治区で大量の人体臓器が摘出され、迅速に全国に送られていることがわかった。
「南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議)」の代表はスピーチで、中国共産党による大虐殺の歴史を振り返った。1959年に中国共産党がチベットでチベット人を大量虐殺したこと、1967年から1968年にかけて中国共産党党首毛沢東(当時)が南モンゴル地域(中国内モンゴル自治区)に軍隊を派遣して、モンゴル人を虐殺したことなどが語られた。2020年以降、中国共産党は内モンゴルでのモンゴル語の教育を禁止し、モンゴルの学校図書館にあるモンゴル語図書を焼却した。このように、中国共産党政権は人類文明に危害を及ぼし、世界中の災いの根源となっている。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表は発言の中で、中国共産党がチベット人の中でDNAや血液サンプルを大量に収集しており、適切なドナーを探していることは明らかだと述べた。中国共産党の公式医療データによると、中国で公式に登録されているドナーの数は、臓器移植に使われている臓器の数よりはるかに下回っている。つまり、大量のドナーは出所不明であり、臓器移植の背後に邪悪な犯罪活動が隠されていることが明らかである。そのため、アリヤ・ツェワン・ギャルポ氏は、国際社会に行動を起こし、中国共産党による生体臓器狩りの犯罪を阻止するよう呼びかけた。
NPO法人日本法輪大法学会会長の稲垣兼太郎氏は、法輪功学習者は創始者の李洪志氏の教えに従って「真・善・忍」を修めている。しかし、中国共産党は1999年に1億人の法輪功学習者に対して残酷な弾圧を開始した。修煉を放棄しない法輪功学習者に対し、中国共産党は本人だけでなく、その家族に対しても様々な形で迫害を行っている。現在、法輪功学習者はすでに中国共産党の生体摘器摘出の主要な被害者となっている。中国共産党の邪悪な犯罪を放置すれば、被害者の範囲はますます拡大し、中共の勢力が及ぶ限り、誰もが臓器を摘出される危険に見舞われる可能性がある。
講演会には、衆議院議員青山周平議員、中村裕之議員、石橋林太郎議員、和田有一朗議員、上野宏史前衆議院議員、丸山治章逗子市議会議員、中澤克之前鎌倉市議会議長、宮川豊史東久留米市議会議員、小坪慎也行橋市議会議員などが出席しスピーチを行った。
(文・黎宜明/動画撮影・神谷昂志/翻訳・藍彧)