中国経済(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国共産党第20回全国代表大会が10月16日に開催されるため、公式メディアは全力で習近平氏の再選に向けて大いに宣伝している。しかし、エコノミストは、中国の経済状況が急速に悪化していると指摘した。

 2012年まで、中国のGDPは年平均10%成長していたが、ここ10年間、GDP成長率は年毎に落下している。

 世界銀行のデータによると、中国のGDP成長率は2012年の7.9%から2016年には6.8%、2019年には6%と徐々に低下している。

 世界第2位の経済大国である中国の経済は、今、悪化の一途をたどっている。今年4月から6月までの中国経済の成長率は、前年同期比でわずか0.4%にとどまり、当局が当初設定した年間成長率目標約5.5%を大きく下回っている。今年の成長率は、過去30年間で初めてアジアの他の国を下回ると予想される。

 米サウスカロライナ大学ビジネススクールの謝田教授は11日、大紀元とのインタビューで、中国はインフラ建設に力を入れすぎており、経済構造が変形していると指摘した。謝田氏は、過去10年間でGDPの約4分の1を占めていた中国の不動産市場が現在崩壊しているため、中国経済も勢いを失っていると説明した。

 謝田氏は、中国経済は発展のために過度に借入金に依存しており、政府と民間企業の負債総額は300%から350%に達していると推定されると述べた。現在、日本では150%、米国では150%から200%にとどまっており、いずれも中国よりはるかに下回っている。

 謝田氏はまた、習近平氏による民間企業と民間資本への抑圧が景気後退を招いたとみている。

 米シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(PIIE)の2020年のレポートによると、2013年、非金融法人に対する銀行信用貸付の35%が国有企業に、57%が民間企業に流れた。2014年になると、逆に60%が国有企業、34%が民間企業、残りは外資系企業や合弁企業に流れた。2016年には、信用貸付の83%が国有企業に行き、私企業には11%しか行かないという分配のアンバランスが悪化していた。

 当局の民間企業への抑圧について、謝田氏は「(当局が)中国経済の最も盛んで、最も活力のある部分を扼殺してしまった。そのため、経済がこんなに急速に後退している。世界中がその衰退を目のあたりにしているので、今さら隠そうとしても隠せないのだ」と述べた。

(翻訳・藍彧)