干ばつ(イメージ / pixabay CC0 1.0)

 中国江西省の干ばつは6月23日以来、悪化が加速し続けた。河川や湖の水資源は枯渇(こかつ)に近づき、中国最大の淡水湖である鄱陽湖と近隣水域の面積は史上最低を記録した。1961年に気象の記録が完備できて以来、干ばつが最も深刻な年となった。

 中国中央テレビジョン(CCTV)によると、10月8日現在、江西省の深刻な干ばつは88日間も続いているという。6日の気象予報によると、江西省97%の県が深刻な干ばつ状態に陥り、今後7日間も続くと予想されているという。また、江西省の南北を貫く省内最大の川である贛江(かんこう)は、北部支流が50日以上にわたり枯渇が続き、沿岸部2万ムー(約13平方キロメートル)以上の水田が深刻な干ばつに直面している。

 高温と干ばつが続く影響で、江西省楽平市の1542基のダムが最低水位に達した。現在、楽平市の貯水総量は1億立方メートルに満たず、昨年同期より56.47%減少した。秋植えの稲は生育の重要な時期に入っているが、水田の土壌が大規模な亀裂ができるほど干ばつしており、灌漑(かんがい)用水も近いうちになくなると見込まれる。

 晩稲を植える28万ムー(約187平方キロメートル)の農地の干ばつを緩和するため、当局がこれまで、少なくとも16回の人工降雨を実施した。江西省は10月中・下旬にも温暖で乾燥する気候が続き、森林火災を誘発する要因が多く、干ばつが続くと予想される。

 また、中国中央気象台は8日18時、「オレンジ色」の気象警報を発表し、長江流域の各省で、中度から重度の干ばつが発生し、一部の地域では特級の干ばつが発生すると発表した。

(翻訳・吉原木子)