中国の公式データによると、北京、上海、広州、深センなどの一線都市(注)における不動産物件の成約高は、10月の国慶節(連休期間は10月1日から7日まで)中に前年同期比で急減し、北京は64%もの減少を記録したという。専門家は、中国の不動産はもう救いようがないと指摘した。
中国の不動産デベロッパーにとって、毎年9月の中秋節と10月の国慶節の7連休はマンション販売の書き入れ時の1つだ。しかし最近の不動産市況の減速を受け、今年の10月大型連休の物件成約数は低調に終わった。
調査会社の中指研究院アナリストである陳文静氏は、「中指市場状況・企業研究成果共有会」で、10月の大型連休中、20の主要なモニタリング都市の新築物件成約総面積は前年同期比37.7%も減少したと発表した。
北京、上海、広州、深圳の4大都市の1日平均成約面積も前年同期比も大幅に下落し、広州は21%減、上海は47%減、深センは49%減、北京は64%減と大幅に減少したと陳文静氏が指摘した。
米サウスカロライナ大学エイケンビジネススクールの謝田教授は10日、希望之声の取材に対し、一般的に一線都市は二線都市・三線都市に比べて、下落に対する抵抗力が強いが、一線都市も急落すれば、不動産販売の落下傾向が続くことに歯止めがかからないことを示していると述べた。
「住宅バブルが崩壊すれば、中国共産党にとって手の施しようがない大きな問題に発展する。中国当局は、若者たちに親の年金を使って家を買わせたり、貧しい大学生に家を買わせたりするなど、すべての悪質な手口を尽くしている。低金利や頭金免除など、あらゆる施策を導入しているが、国民はすでに手元にお金がないため、いくら刺激しても無駄だ」
謝田氏は、「中国の不動産市況はすでに救いようがない。ある報道によると、急にお金が必要となり、家を安く売ろうとする人がいて、物件価格を掲示したとたん、同マンションの他の所有者らに反対されたという。中国当局も登録してくれず、売らせてくれない。中国共産党当局が不動産の価格を維持しようとしている行為は、実にばかばかしい。価格を下げないのに、人に買わせようとする。それに、今は供給過剰となっているから、この状況は長続きせず、いずれ崩壊するだろう」述べた。
(注)一線都市とは、全国的な政治活動や経済活動などの社会活動で重要な地位にあり、指導的役割を備え、波及力・牽引力をもった大都市を指す。中国で現在、一般的に一線都市とみなされているのは、北京市、上海市、広州市、天津市、深セン市である。
(翻訳・藍彧)