「産経新聞」の台北支局長の矢板明夫氏はこのほど、台湾前国民党立法委員の蔡正元氏から「偽日本人」、「中国共産党のミルクを飲んで育ったのに、毎日中国を批判している」と批判された。矢板氏は2日夜、その批判に対し正式に応じた。
台湾国民党の前立法委員の蔡正元氏は1日、フェイスブックで矢板明夫氏を「偽日本人」「矢板明夫氏は紛れもなく中国人だ。しかも中国共産党のミルクで育った中国人でありながら、台湾で親日・アンチ中国を主張することに明け暮れている。はっきり言って、矢板明夫氏は偽日本人で、偽中国人でもある」と批判した。
これに対し、矢板氏は2日、フェイスブックで「私は子供の頃、確かに中国に住んでいたことがある。しかし、苦労して育ててくれたのは両親だ。中国共産党が統治者として私たちにもたらしたのは貧困、嘘、相互の猜疑心、洗脳教育だけだ。もし、私が子供の頃から日本で暮らしていたら、もっと幸せな子供時代を過ごせたに違いない」と答えた。
矢板氏は、かつて産経新聞の北京特派員時代には、中国共産党を批判する記事も多く書いたと述べた。「私の初心は、真実を語り、報道することによって、中国の人々が一日も早く言論の自由と恐怖のない生活を送れるようにしたいということであった。微力ではあるが、これからもこの道を歩んでいきたいと思う。台湾に来てから、ここにも家族や友人がたくさんいて、自分が知っている中国の実情をみんなに伝える責任を感じているのだ。台湾の人々がもっと警戒し、フェイクニュースや特定の人々が(意図的な)風向きに導くことに耳を傾けず、台湾海峡の向こう側の政権に騙されないようにすることを望む」
多くのネットユーザーは、「矢板氏が本物の日本人か偽物の日本人かはともかく、善悪の識別ができ、台湾を愛する心がある。それに比べて、台湾の米を食べ、台湾の水を飲み、台湾に生まれた正真正銘の台湾人(蔡正元氏を指す)こそ、偽台湾人で真の中国人である。議論する必要はない」というコメントを残した。
またネットユーザーは、「矢板明夫氏が中国共産党の嘘や犯罪を暴露したことに対し、なぜ蔡正元氏がそんなに怒っているのか、なぜ矢板氏を非難するのか、蔡氏は中国共産党からお金でももらっているのか」と疑問を呈するネットユーザーもいた。
(翻訳・藍彧)