中国の長江(揚子江)流域の深刻な干ばつにより、多くの地域で住民の飲料水が問題となっている。江西省南昌市は、市を貫く長江の支流・省内最大の川である贛江(かんこう)をせき止めて貯水し、300万人の飲料水を解決しようとする。
江西省の一部の地域では、重度の干ばつが7月中旬から始まり、70日間以上続いている。統計データによると、省内95%の市区県では干ばつが「極度」に達しており、今後も続く見込みだ。極端な干ばつで、数百万人もの住民の飲料水がますます問題となっている。
中国メディア「澎湃新聞」の9月23日の報道によると、南昌市地方海事局は9月22日に「贛江南昌段(西支)水位上昇のための囲いぜきの設置に関する通告」を発表し、贛江の市区段の水位保持のための応急処置を行うと公表した。
海事局は「通告」で、竣工した囲いぜきにより、贛江の西支流を跨ぐ「英雄大橋」から下流の約1kmより先の水域が運航不可になると明示した。運航不可期間は2022年9月27日から2023年3月末までとなる。
「かつて『水の都』と呼ばれる南昌市は、300万人の住民の飲用水問題を解決するために切羽詰まって、長江をせき止めようとしている。前代未聞だ。これからの数か月、南昌市の干ばつ対策がもっと難しくなる。死者すら出るのだろう」とのコメントが寄せられた。
ドイツ在住の水利専門家である王維洛(おう・いらく)氏は、このようなせき止めは、下流にある南京市などの長江沿岸の地域に被害をもたらすことになると述べた。長江に入る支流をせき止めしてしまうと、長江に水が入らなくなるともコメントした。
(翻訳・常夏)