家で食料が底をつき三日間水しか飲めなかった家族(日本ウイグル協会が提供する動画のスクリーンショット)

 中国政府は、「ゼロコロナ」の政策実施によって、8月2日から新疆ウイグル自治区の全地域をロックダウン(都市封鎖)した。当該地域では食料品や医薬品などの必需品の供給が不足し、飢餓、病気などで亡くなるケースが増加している。特にグルジャ市で必需品の供給が停止し、多くの人が亡くなっている。

 ラジオ・フリー・アジアによると、中国新疆ウイグル自治区グルジャ市(伊寧市、イーニン市)には、ウイグル族やトルコ系イスラム教徒が約50万人住んでいるという。都市封鎖の結果、最近では飢えや薬不足による死亡例が相次いだ。

 ラジオ・フリー・アジアの記者がこのほど、グルジャ市の関係者や警察に確認したところ、15日に少なくとも22人が死亡した。地元の村の治安担当者がラジオ・フリー・アジアに語ったところによると、最近、村の住民2人が飢えで死亡したという。

 在日ウイグル人によると、現在グルジャ市ではこの世の惨劇が発生しており、適切な治療を受けられずに亡くなる人や、家で食料が底をつき三日間水しか飲めなかった家族もあるという。

 先週、グルジャ市の人々は通常の生活を再開することを求め、都市封鎖によって飢えに苦しんでいる人々を無視する政府のやり方に抗議し、街頭で平和的なデモを行った。いっぽう、デモの参加者600人以上が当局に逮捕されたと報じられた。

 ウィーチャット(微信、WeChat)では、グルジャ市の封鎖による混乱や物資不足について書かれた記事が削除された。11日には同市警察が、ネット上での噂の流布、対立感情の扇動、疫病対策妨害などの罪で4人を逮捕したことを発表した。

(翻訳・徳永木里子)