中国の軍隊や地方病院における臓器ドナーは、心臓を摘出される前に死亡していないことがわかった。(臓器摘出に反対する医師会「DAFOH」のホームページより)

 国際心肺移植学会(ISHLT)はこのほど、中国からの臓器移植研究論文の発表を全面的に禁止すると発表した。これは、国際医学界では初めての新しい方針だ。

 国際心肺移植学会はこのほど、「中国(共産党)政府が死刑囚からの臓器または組織の摘出を独自かつ組織的に支持し続けているという圧倒的な証拠を踏まえ、国際心肺移植学会は中国人のドナーに関する臓器移植の投稿、および中国人ドナーからの臓器または組織を含む投稿を受け付けないこととする」という声明を発表した。

 「国際心肺移植学会(ISHLT)は、公平かつ適切な臓器移植を確保するために、臓器待機者リストの管理を含む、臓器と組織の寄付、臓器移植のあらゆる側面を管理し、公開された明確なポリシーがあるべきだと考えている」

 イスラエルのシバ医療センター心臓移植科の科長ジェイコブ・ラヴィー氏は18日、「この新規則は、実質的に中国からの臓器移植に関する臨床研究の全面的な学術ボイコットである。中国からそのような研究は、本学会の権威ある『ジャーナル・オブ・ハートラングトランスプランテーション(J. Heart Lung Transplant)』に掲載することも、本学会の年次総会で発表することもしてはならない」とし、「この規則はユニークで、国際的な医学界では初めてであり、他の人の模範となることを望んでいる」と述べた。

 世界で最も権威のある米移植専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・トランスプランテーション」は2022年4月5日、ジェイコブ・ラヴィー氏と米共産主義犠牲者記念財団(VOC)の研究員で豪国立大学の政治科学の博士課程のマシュー・ロバートソン氏との共同研究を発表した。この研究によると、過去数十年間、中国の軍隊や地方病院における臓器ドナーは、心臓を摘出される前に死亡していない、つまり、心臓の摘出が「ドナー」の死因となっていることがわかった。

 ロバートソン氏は22年5月12日、米国議会下院の「トム・ラントス人権委員会」の公聴会で、「(中共が)主張する自発的な臓器提供の数は、単純な数学モデルに非常に近いことがわかった。つまり、データの成長(曲線)は不自然なほど非常に滑らかで、(これらの成長経験は)他の国のような成長の軌跡を描いていない」と述べた。

 中国で生体から臓器を摘出された人の多くは、良心の囚人、反体制派、宗教家などだ。イギリスの独立民衆法廷「中国法廷」は2020年3月、最終判決の発表では、「(生体からの)強制臓器摘出は、中国各地で長年にわたって大規模に発生している。法輪功学習者は、ドナーの供給源の1つであり、主要な供給源である可能性が高い」と述べた。

(翻訳・藍彧)