18日午前2時40分頃、中国貴州省南部の黔南(けんなん)プイ族ミャオ族自治州三都(さんと)スイ族自治県内の高速道路で、バスの横転事故が発生した。現地時間正午12時現在、27人が死亡、20人が治療を受けている。
同高速道路は、貴州省貴陽市と貴州省南部の茘波県(れいはけん)をつなぐ高速道路である。しかし、貴陽市では、コロナ感染拡大のため、5日からロックダウン(都市封鎖)を実施されており、現在、事故が発生した黔南州の一部を含む100以上の高速道路のインターチェンジ(IC)、複数のサービスエリアが封鎖されている。さらに、中国の法律では、午前2時から午前5時までは、バスが高速道路に入ることも走行することも禁止されている。
「貴陽市が封鎖され、高速が通行止めになっている。午前2時に、貴陽市から茘波県までの高速を運転できるのか?」という疑問があがった。貴陽市にいる家族や友人からは、アパートの中に1人でも陽性者がいれば、残りのアパート入居者全員が周辺の市や町に連れて行かれ、隔離されることになるという報告があった。情報通のネットユーザーは、「友人の家族が隔離のために夜中に連れ去られたが、バスが事故に遭い、50人が車から這い出て、緊急電話をかけて助けを求めても、救急隊が4時にようやく到着した」と述べた。
事件直後、貴州省公安当局は、バスが横転したことと死傷者数を簡単に報告しただけで、乗客名簿を公表せず、感染地域の車両が禁輸期間中にも関わらず高速道路を走行できる理由についても触れず、防疫政策との関連性についても言及していない。また、関連当局が言論の統制を急ぎ、一律に「交通事故」と表記するよう要請しているとの情報もある。
「浩瀚趙旻科長(こうかんちょうみんかちょう)」という名前の人物は、「南明区法律事務所主任グループ」で「三都の件について全員に通達。これはただの交通事故だ。この件について議論をするな。メディアで貴州省や貴陽市のイメージを影響するようなことを話さないように」という内容の通知を出し、グループ全員に受け取り次第返信するよう求めた。
(翻訳・徳永木里子)