中国中部地域の湖南省長沙市内では16日、複数の場所で異様な火災が発生したが、火災関連情報の拡散が禁止された。
16日、湖南省消防局の公式ウェイボー(微博、Weibo)によると、同日午後、長沙市芙蓉区(ふようく)東二環路にある「中国電信ビル」で火災が発生した。黒い煙が上空まで立ち上がり、勢いがすさまじく、ビルが炎に包まれていたという。消防当局は17の消防署、36台の消防車、280人の消防隊員を現場に派遣し、午後5時近くになってようやく消火できた。
中国電信の公式ウェイボーによると、16日16時30分、長沙の第二通信ビルの火災は鎮火され、死傷者はおらず、通信に支障もないという。しかし、現地の目撃者によると、多くの人が建物の中に閉じ込められていたという。別の長沙市民はエポック・タイムズの取材で、「火災発生時に自分と友人の携帯電話がともに電波を失った。政府は『通信が途絶していない、デマを打ち消そう』とし続けたが、実は中国電信の固定電話も携帯電話も使えなくなった」と述べた。
消息筋によると、火災の原因が「機械室の爆発」であり、「ビルの中層階と下層階は中国電信の事務所で、上層階は中国共産党湖南省規律検査委員会(以下「省規委」)が事件を処理する時に軟禁をする場所である」ことを明らかにした。同ビルの上層階にあるプレジデンシャル・スイートとエグゼクティブ・スイート、デラックス・シングルルーム、スタンダード・ダブルルーム、一般客室はすべて、省規委と省監察局の管轄だという。
https://twitter.com/i/status/1570796283866263555
同日、「中国電信ビル」からほど近い長沙の中南大学付属第二湘雅病院も火災に見舞われた。関連動画には「(病院は)証拠を処分し、資料を破棄する」とのキャプションが書かれている。しかし、どの事件に関するどのような証拠や資料なのかは不明だ。
https://twitter.com/i/status/1570776481290416128
また、ネット上では、「中国電信ビル」や第二湘雅病院が燃えている間に、長沙市の潘家坪、開福寺、星沙物流園でも火災が発生したという情報が流れている。
ネット上に流出されたスクリーンショットによると、湖南省の中国電信社とチャットグループ「湖南ラジオグループ」は、火災に関する情報をソーシャルメディアに投稿・転送することを禁止する命令を出したという。ネットユーザーからは、今回の同時複数な火災が、中国における新たな「火災の波」の始まりではないかとのコメントも寄せられた。
(翻訳・黎宜明)