写真家を噛む蚊(WildTurkey, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)

 全国人民代表大会(全人代)の代表が最近、「蚊を全面的に撲滅せよ」と提案したことが、瞬く間にウェイボー(微博)で話題となり、検索ランキング上位にのぼった。国民から批判的なコメントが殺到した。

 民間のネットニュースメディア「観察網」によると、中国国家衛生健康委員会は13日、第13期全国人民代表大会第5回会議第5749号の「蚊の全面的な撲滅に向けた提案」に対する回答では、2008年以降、国家重点特別プロジェクトは、重要な媒介生物のモニタリングや感染関連病原体の検出技術に関する研究を支援してきたが、革新的な蚊の制御技術に関する研究はまだ全般的に弱いと述べた。

 関連記事の閲覧数は14日午前10時55分まで、すでに6400万回を超えた。多くのネットユーザーはこの提案を非難して揶揄った。
「このような代表がいるのは制度に大きな問題があるとしか言いようがない」
「どうして蚊を全滅させる能力があると思うのか」
「コロナ撲滅にも骨が折れるのに、蚊を根絶なんて」
「この提案は皮肉だろう、ブラックジョークか」

 ラジオ・フランス・インターナショナルによると、中国政府は新型コロナウイルスのゼロコロナ政策にこだわった結果、数千万人、ひいては数億人以上の国民が閉鎖される状態に陥っている。移動を自由にできないほか、物資不足にも直面している中、全人代代表の提案は明らかに社会と深刻にかけ離れている。

 一部の評論家は、中国共産党両会における「おかしな」提案が毎年見られると指摘した。これは一部の代表委員の素質が低いことを反映しているだけではなく、これらの人が名声を上げ、注目を集めるためだけに両会に参加していることを示している。これらの人が恣意的に狂言し、国民を怒らせることを恐れないのは、全国人民代表大会常務委員会と中国人民政治協商会議常務委員会以外には、誰も彼らを罷免できないからである。もし国民が彼らの解任を求める署名をする権利があるのなら、彼らはそのようなナンセンスなことをまだ言えるものか。

(翻訳・藍彧)