何人かの学生たちは、人生の本当の意味について先生に相談しました。
先生は、学生たちをリンゴの果樹園に連れて行きました。
リンゴが熟す季節でした。何列ものリンゴの木の枝には、たわわに実ったリンゴが沢山ありました。
先生は学生たちに「皆さんには、果樹の列に沿って、果樹園のこっち側から向こう側まで歩いてもらい、一番大きくておいしそうに思うリンゴを一つ選んでもらいます。後戻りしないでください。選び直しもダメです」と指示しました。
学生たちは出発しました。歩いている途中、彼らはとても真剣で慎重にりんごを選んでいました。
学生たちは果樹園の向こう側に着くと、先生がすでにそこで待っていました。
先生は、「皆さんは、満足のいくリンゴを選ぶことができましたか?」と尋ねました。
学生たちは互いの顔を見ながら、誰一人として答えようとする者はいませんでした。
先生は「どうしました、皆さん。自分の選択に満足していないのですか?」と再び尋ねました。
すると、一人の学生が「先生、もう一度選ばせてください!」と願い出ました。
「果樹園の中に入って間もなく、とても大きなリンゴを発見しました。でも、もっと大きくていいリンゴを探したいと思ったのです。森の端まで行くと、最初に見たリンゴが一番大きくておいしそうだったことに気がつきました」と学生が話しました。
「私はその逆です」と、もう一人の学生が「果樹園の中に入って間もなく、一番大きくておいしいと思うリンゴを摘みました。しかし、もっと歩いてみると、私が積んだリンゴよりもっと大きくておいしそうなリンゴがたくさんあったのです。先生、私にももう一度選ばせてください!」と続いて話しました。
「先生、もう一度選ばせてください!」と、他の学生もお願いしました。
しかし、先生は真顔で首を横に振り、「皆さん。二度目の選択はないのですよ。これこそが、人生の本当の意味なのです」と語りました。
人生という長い旅路で、チャンスは誰にでも平等です。つかの間のチャンスをつかめた人もいれば、それを逃したり、見過ごしたりする人もたくさんいます。チャンスを逃した人の中には、優柔不断な人や欲望が強すぎる人がいます。
そのため、欲望を捨て、どんなチャンスでも大切にすることが重要なのです。決めた目標があれば、それに向かって着々と進むのみ。貪欲にならず、悔いのない人生を送るべきです。
人生の中には、貴重な機会がたくさんありますが、その多くは「リトライ」がありません。ですから、チャンスを大切にすることは、自分の人生に責任を持つということです。
(翻訳・金水静)