中国四川省カンゼ・チベット族自治州瀘定県で５日に起きたマグニチュード6.8の地震で、７日午後時点の死者は74人となった。行方不明者は35人で、負傷者は約260人。「72時間」に迫り、外界が救助活動の進捗状況に注目する中、当局が救助隊員に対して被災地に入る前にPCR検査を義務付けていることがネット上で明らかになった。
中国メディアによると、当局は7日までに軍、警察官、消防士、医療関係者など計6650人の救助隊と9機のヘリコプターを派遣したという。しかし、被災地現場で不明者の生存率が著しく下がるとされる「発生から72時間」が８日午後に迫る中、これらの救援隊は厳格な防疫のために、救助任務を速やかに遂行できないことになっている。
カンゼ・チベット族自治州衛生健康委員会は6日、ウィーチャット（微信）の公式アカウントで公告を発表し、瀘定県に入る人はすべて当局の許可を得なければならず、24時間以内にPCR検査陰性証明書、緑色の健康コード、危険な都市滞在歴がないことを義務づけた。同時に、被災者や救助に携わる人は1日1回のPCR検査を実施し、健康状態に異常がある人は速やかに医療機関に届け出なければならず、救助作業への参加も禁止されるという。
これらの規定は瞬く間にネット上に流れ、世論を騒がせ、ネットユーザーからの批判を招いた。
「当局の防疫政策が救助活動や人命を救う黄金期である72時間を無視し、人命より政治を優先している」
「多くの被災者が被災地に入ることができず、PCR検査に少なくとも4時間待たなければならず、救助者が外に阻まれていることは殺人に等しい」
ティックトック上の動画では、5日夜、一部の消防士が被災地に到着し、救助活動を行う前に、PCR検査の列に並んでいる様子が映っている。
世論が騒いだため、カンゼ・チベット族自治州衛生健康委員会はその後、公式アカウントでの公告を削除した。同州の放送局も関連公告を撤回した。しかし、一部のネットユーザーはウェブページのスクリーンショットを保存しており、該当スクリーンショットが今もネット上で出回っている。
（翻訳・藍彧）