台湾軍は30日、金門島の周辺を飛行する中国のドローンに実弾で警告射撃を行った。(看中国合成写真、金門防衛指揮部と蔡英文 のFacebookより)

 中国共産党の台湾に対する継続的な軍事作戦に対して、台湾の蔡英文総統は8月30日の演説で「我々は反撃しないわけではない」「適切なタイミングで対抗措置をとるよう指示した」と述べた。台湾軍は30日、実行支配する金門島の周辺を飛行する中国のドローンに実弾で警告射撃を行った。そのようなドローンに対して警告射撃が行われたのは初めて。

 金門防衛指揮部は30日夕方、午後4時23分から、金門県の離島、大胆島、二胆島、獅嶼の周辺で3機の民間ドローンを発見したと発表した。信号弾を警告発射した後、一度飛び去ったが、うち1機が午後5時59分、再び戻って来て同じ空域に侵入したため、実弾で警告射撃を行ったという。ドローンは最終的に廈門市方面に飛び去った。

 蔡英文氏はフェイスブックの投稿で、最近、中国(中国共産党)は軍事演習の後、ドローンによる侵攻など「グレーゾーン」の戦術に切り替え、認知作戦と組み合わせて、台湾に対する民間的攻撃と軍事的威嚇を続けていると指摘した。

 蔡氏は30日、軍の視察中に国防部に対して、中国のグレーゾーンの戦術と呼ぶものに「状況に応じて必要かつ強力な対応」をとるように指示した。これには「無人機のいやがらせ」も含まれる。

 中国当局は今回の件でコメントをしていない。ただ、中国外交部(外務省)の趙立堅報道官は29日、「中国の領土上空を、中国のドローンが飛行することに、何ら驚きはない」と述べた。

 これに対し、台湾外交部(外務省)はこの発言に怒りを露わにし、「招かれざる客は泥棒と呼ばれる」との中国古来の教えに言及した。

(翻訳・藍彧)