カナダ在住の個人メディアの文昭氏が最近、自身のユーチューブチャンネルで三峡ダムの裏話を明かした。
中国国内のある水利専門家によると、彼らはかつて、三峡ダムが長江上・中流域の気候に与える影響をコンピューターシミュレーションで研究したことがあるという。その結果、三峡ダムの貯水によって、ダム上流の長江の水位が100メートル以上上昇し、水位上昇によって長江の流速を低下させたため、三峡貯水池にプランクトンの大量繁殖を引き起こし、プランクトンが放出するメタン量が大幅に増加したことが明らかになった
メタンは最も重要な温室効果ガスの 1 つであり、その温室効果は二酸化炭素の 86 倍である。現在では地球温暖化の第二の推進要因とされている。
国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって設立された気候変動を評価する主要な機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、これ以上の地球温暖化を防ぐためにはメタン排出の抑制が不可欠であると警告している。
専門家の間では、水力発電は火力発電に比べて温室効果ガスの排出量が少なくて済むと考えられている。水力発電の方がクリーンであるというのは大きな誤解だ。
ブラジルのツクルイ水力発電所は、規模的に三峡ダムに非常に近い。ツクルイダムの高さは98メートルで、三峡ダムの半分だが、貯水量は450億立方メートルで、三峡ダムの貯水量400億立方メートルよりやや高い。研究によると、ツクルイ貯水池からは、ダム建設前に比べて17倍ものメタンガスが放出されていることが明らかになっている。
この中国の水利専門家が参加した三峡ダムの気候への影響に関するコンピューターシミュレーションの結果、三峡ダムからはダム建設前に比べて10倍ものメタンが放出されていることがわかった。
また、三峡貯水池の水は湖水と異なり、湖水は基本的に静止しており、三峡ダムの水はゆっくりと流れている。静止している湖水は巨大な反射鏡となり、かなりの量の日射を反射させることができるが、流れている水にはその効果がない。そのため、三峡ダム上流の長江の水はかなりの熱を吸収し、特に底部の水はさらに高温になる。高さ200mの三峡ダムは、上下流水面の水蒸気の交換を遮断し、上流の川の水の熱を放出できないようにした。さらに、三峡ダム近くは山に囲まれた地形であり、熱い空気がこの地域に集まり続けている。
専門家によると、これらのことは20年前、中国の水の専門家の間では広く知られていたが、中国共産党政権の圧力により、誰も公言しなかったという。
(翻訳・藍彧)