27日夜から四川省の一部が大雨に見舞われ、洪水が発生し、中小河川では増水が発生した。(YouMaker 動画のスクリーンショット)

 中国四川省の高温・干ばつが終わったばかりの直後に、豪雨に見舞われ、干ばつが突然洪水に変わった。成都市、広元市(こうげんし)など11の都市で山津波が発生し、6万人以上が緊急避難した。

 四川省気象台は27日午後、豪雨の青色(注)警報を発令し、同日夜から四川省の一部が大雨に見舞われた。岷江(びんこう)、青衣江(せいいこう)、涪江(ふうこう)では洪水が発生し、成都市、綿陽市、広元市などの一部の中小河川では増水が発生した。

 中国公式メディア「中央人民ラジオ」の報道によると、28日まで、四川省の広元市、巴中市(はちゅうし)、達州市(たつしゅうし)、綿陽市、成都市など11の都市が豪雨に見舞われ、現地から61100人が緊急避難したという。このうち、綿陽市、広元市などで約3600人が被災したと報告されている。

 ネット上の動画では、四川省の都江堰市(とこうえんし)、大邑県(だいゆうけん)、崇州市(すうしゅうし)などで28日、豪雨が降り、山津波が発生した様子が映っている。成都市大邑県で発生した山津波により、道路が破壊され、車が穴に落ち、西嶺雪山の観光地が閉鎖された。

 中国気象局の予測によると、今後10日間、中国西部では雨の続く日が多くなり、累積雨量は前年同期の4割以上倍増、局部地域では2倍以上になり、干ばつが突然洪水に変わる可能性があるという。

 気象の劇的な変化に加え、中国の気温の急激な変化も驚異的だ。数十日も極端な高温が続いた河北省張家口市では、27日に気温が一転してマイナス2度まで下がり、多くの農作物が凍傷に見舞われた。

 注:中国の警戒信号のレベルは、一般的に気象災害がもたらす危害の程度、緊急度、展開状況に応じて、Ⅳ(一般)、Ⅲ(軽度)、Ⅱ(重度)、Ⅰ(特に重度)の4段階に分けられ、青、黄、オレンジ、赤の順に表示される。

(翻訳・藍彧)