軍用医療キット(ネット写真)

 中国共産党(以下、中共)はこのほど、台湾を威嚇する軍事演習を行うとともに、金を大量に輸入し、米国債の保有を減らしている。海外のアナリストは、中共が台湾を侵略するための戦争の準備をしている可能性を指摘した。

 複数のメディアによると、スイス連邦関税局は、7月に中国がスイスから80トン以上の金を輸入し、2016年以降では最も多く、6月の2倍以上、5月の8倍以上となったと発表した。中国の年間金輸入量が2020年に601トン、2021年に818トンに達した。中共の外貨準備に占める金の割合は、この3年間で大幅に増加した。

 なぜ、この3年間に中共は金を大量に購入したのだろうか。ツイッター時事評論アカウント「LT視界」は、プーチン氏がウクライナ侵攻前にも同様の動きをし、ロシアは国際制裁に備えて過去5年間に増加した外貨準備のほぼ全額を金の購入に充てたと考えている。中共が金を大量に購入した時期は、習近平氏が台湾に対する武力威嚇を強化した時期と重なるため、中共が台湾に対する武力行使を計画している可能性は否定できない。

 米国財務省が開示した最新のデータによると、中国の米国債保有額は今年5月に9808億米ドルに減少し、1兆ドルの大台を割り込んだ。中共のこの動きは、米ドルへの依存度を下げようとするものだと思われる。また、ロシアは近年、米国債の保有額を持続的に減らしており、最新の数字では、ロシアの米国債保有額はわずか20億400万米ドルとなっている。

 米評論家・作家の章家敦氏も最近、中共が戦争の準備をしていると警告した。

 中国語サイト「議報」に8月23日に掲載された記事で、章氏は、7月に医療機器を製造する中国人企業家が、中国国内の生産ラインを軍に供給できるように改造するよう、現地当局から依頼されたと話したことを記した。その企業家は、共産党幹部が他の製造メーカーに同様の指示を出していると語った。また、中国の大学では外国人研究者の追放が続いていると、中国の学者は私的に発言した。

 また、今年3月に中共中央組織部が、閣僚級幹部の配偶者や子女が海外の不動産や外国株式を所有することを禁止し、これらの幹部とその直系家族が海外の金融機関に口座を開設することを認めないという内部指示を出したことにも、章氏は言及した。これは、ウクライナ侵攻でロシア政府関係者が制裁を受けた直後の、中共の反応であるという。

(翻訳・徳永木里子)