中国人民元の対米ドル為替レートは2年ぶりに再び6.90までに切り下げ、7を割る可能性もある。理論的には人民元安は輸出企業に有利だが、「ゼロコロナ政策」により輸出受注が減少し、さらなる資本流出で外貨準備高も懸念されている。
8月29日、オンショア人民元と、オフショア人民元の対米ドル為替レートはそれぞれ6.9207、6.9282を割り込み、約2年ぶりの安値となった。一方、米ドル指数は上昇を続け、今年7月中旬以来の高値となる109.20まで上昇した。
市場は、人民元が今後、7を割る可能性があるとみている。その理由は、国際的には米連邦準備制度理事会(FRB)がより積極的な利上げ政策を採用し、ユーロ安と相まってドル指数をさらに上昇させるからである。中国国内では、コロナの感染再拡大、金融リスクの処理、景気回復の鈍化などの要因から、中国中央銀行は金融引き締め政策をとらず、人民元安が継続すると思われる。
中国の「財経」誌によると、シニア外国為替アナリストである元濤氏は、中国中央銀行の金融政策と国内経済のファンダメンタルズが人民元為替レートに影響を与える決定的な要因になると考えている。「しかし、融資需要が弱く、経済データも暗くなっている今、中国中央銀行が流動性を引き締める動力は強くない」。
バンク・オブ・アメリカは、今年末までにオンショア人民元の対米ドル為替レートが7を割り込む可能性が高いと予測した。
(翻訳・藍彧)