顔認識機能を付けている監視カメラシステム( Wikimedia Commons パブリック・ドメイン)
中国工業情報化部は26日、電気通信会社に対し、今年12月1日から「人物照合技術」、つまり顔認証を全面的に実施するよう通告した。通知では、SIMカードを申し込む際には、必ず顔認証による本人確認を行わなければならないと定められている。中国本土メディアが報じた。
当局の規制は民間の激しい反発に遭っている。ウェイボーには、当局が「全面監視を行っている」「個人情報の流出ではないか」「大衆の同意を得ずに実行した」「同意できない。いかなる観点から見ても、これは公民権に対する深刻な侵害だ」「(中国には)自由な空間など存在しない。何もかもが強制されている。自由に話し、選択する権利もない!」というような書き込みがなされている。
実際、顔認証は中国の各業界に浸透しており、鉄道駅、地下鉄、デパート、劇場、学校、観光地、バス、ホテル、タクシーなどで顔認証システムが使われている。
台湾の「自由時報」によると、6月17日深夜、四川省宜賓市長寧県双河鎮で震度6の地震が発生し、13人が死亡し、200人が負傷した。多くの中国のネットユーザーはSNS上で、重慶大学の顔認証システムがスムーズな避難を妨げたと指摘した。学生が宿舎から緊急避難する際、顔認証システムによる本人確認をするため長蛇の列を作り、被害を拡大させてしまった。学生らは、自然災害が発生した時、顔認証システムが人間の安全に重大な影響を及ぼすと不満を漏らした。
(翻訳・柳生和樹)