米商務省は23日、国家安全保障および外交政策上の懸念を理由に、主に航空宇宙事業を手掛ける中国関連7団体(事業体)を輸出規制リストに追加したと発表した。
ロイター通信によると、米国商務省産業安全保障局(BIS)は23日、中国の航空宇宙関連の研究所など6つの研究機関と企業1社を輸出管理規則(EAR)上のエンティティー・リスト(EL)に掲載すると発表した。正式には24日付の官報で公示した。
今回輸出規制に追加されたのは、中国航天科技集団第九研究院第771研究所と772研究所、中国空間技術研究院502研究所、中国電子科技集団(中国電科)の43研究所など、いずれも航空宇宙科学やエレクトロニクスなどハイテク分野の研究所および企業となる。
米商務省によると、中国航天科技集団、中国空間技術研究院、中国電子科技集団はいずれも中国政府の背景を持っている。7団体は「中国の軍事的近代化に向けた取り組みを支援するために米原産の品目を取得、または取得しようとした」ことで制裁された。
2月のロシア・ウクライナ紛争勃発以降、米国がロシア関連の事業で中国事業体に措置を講じたのは今回が初めてだ。
米商務省によると、新たに7つの中国事業体を加わったことで、米国は約600の中国団体をリストアップし、そのうち110以上はバイデン政権発足以降に追加された。
複数の資料によると、今回規制リストに追加された中国航天科技集団と中国電子科技集団は、いずれも中国共産党の軍事工業企業トップ10に入る企業であることが判明した。これらの軍需産業トップ10グループは、中国国務院が出資して直接管理しており、中国の国防建設や国防研究・生産における主要プロジェクトの生産・運営機能を担い、中国軍に各種兵器・装備の開発および生産・運営活動を提供している。
(翻訳・藍彧)