猛暑と干ばつが続いた影響で、中国の長江流域の水位が低下し、水文観測史上最低となった地域もあり、川底が露出している区間もある。
四川省に位置する長江上流は、夏の増水期に水位が上昇することが多く、地元住民は通常、洪水から身を守らなければならない。しかし、今年は四川省内の大渡河(だいとが)、青衣江(せいいこう)、岷江(びんこう)の水位が急激に下がり、3つの河川の合流地点にある楽山大仏の足元には河川の水がない状態であった。
「楽山大仏の全貌が露出」という見出しが20日に、ウェイボー(微博)の検索ランキング上位に登り、閲覧回数は3.3億人に達した。
ネット上の動画では、楽山大仏の足下の水位が大幅に低下し、大仏の足がはっきり見えるようになった様子が映っている。
地元メディアによると、楽山大仏の川面は例年の同時期と比較して約2メートル下がり、2020年「8月18日」大洪水の時の水位よりも10.53メートル低くなっているとのこと。現在、四川省では干ばつが深刻で、重慶市では66の河川が枯渇して川底が露出している。
楽山大仏は唐代中期、西暦713年から803年の90年間にかけて造られた。弥勒菩薩を象(かたど)って彫られた巨大な磨崖仏(石仏)で、高さは71メートル、世界最大・最長の仏像である。
また、長江中流域に位置する湖北省鄂州市(がくしゅうし)の長江水位は現在、1865年の水文記録開始以来、同時期の最低水位まで下がったため、鄂州観音閣の全貌が露出した。
鄂州市にある観音閣は長江の真ん中に浮かぶ約700年の歴史を持つ寺院で「万里長江第一閣」と呼ばれるほどの名所で、元の順帝(恵宗)時代(西暦1345年)に建てられたものである。川岸から200メートルほど離れた巨大な岩礁の上に建っている。毎年、長江の増水期には、観音亭は屋根だけが水面に露出し、1/2程度まで川水に浸かることが多い。今年は長江の水位が急激に下がったため、観音閣の全貌が露出することになった。
(翻訳・藍彧)