中国各地で高温が続き、複数の省市では気象観測開始以来の最高気温を更新する数値を測定した。高温と干ばつが続いたため、例年なら増水になるはずの長江の水位が下がった。
中国紙「毎日経済新聞」によると、13日、中国の2418カ所の国家気象観測所の11時から16時までのデータで、高温ランキング上位10位の最高気温がいずれも42.5℃を超えていたことが判明した。重慶市、湖北省、陝西省、四川省などが含まれる。そのなかでは、重慶市渝北区(ゆほくく)は48.6℃の最高気温を示し、万州区(ばんしゅうく)でも46℃まで上昇し、「聞いたことも見たこともない(高温だ)」との声が上がった。
異常な高温は、各地の農業と経済にも影響を及ぼした。中国紙「揚子晩報(ようしばんほう)」によると、江蘇省句容市(くようし)茅山鎮(ぼうざんちん)にあるドラゴンフルーツ栽培ビニールハウスでは、青々となるべき苗木の枝が高温により、軟組織がすべて加熱されて黄色くなっているという。
この農場では、合計80畝(ム、約5万平方メートル)以上のドラゴンフルーツを栽培している。夏はドラゴンフルーツの量販の季節で、例年なら、「ドラゴンフルーツ狩り」で観光客がひっきりなしに農場に来ていた。しかし、今、広い農場は空っぽになり、観光客が一人もいない。
今頃、中国南部では稲が成長期を迎えるが、持続的な高温の天気により、稲やトウモロコシなどの作物の秋の収穫が不利になり、減産はすでに避けられない状況だ。
8月、長江の増水期であるはずだが、高温と干ばつが続き、長江の「増水期の枯渇」を引き起こした。湖北省武漢市では漢口が1954年以来、史上最低の水位を記録した。長江とその最大の支流である漢江の合流点、南岸嘴(なんがんし)という地域では、広い範囲の砂浜が露出した。
江蘇省南京市では、13日午前8時、南京長江観測所の水位はわずか4.9メートルで、長江の川底が広範囲に渡って急速に露出した。9日には、同時期としては史上2番目に低い3.92メートルの最低潮位を記録した。
(翻訳・徳永木里子)