台湾情勢をめぐって緊張が高まる中、中国共産党は22年ぶりに台湾統一に関する白書を発表し、台湾に対する武力行使を放棄しないことを改めて強調した。
中国軍の東部戦区は10日、合同軍事作戦が任務を完了したと発表し、最近の対台湾軍事演習が一時的に終了する可能性を示唆した。
中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室などは同日、「新時代における台湾問題と中国統一事業」というタイトルの白書を発表し、「『平和統一と一国二制度』が、台湾問題の解決に向けた基本方針であり、国家統一を実現する最良の方式だ」とする一方で、「武力行使の放棄は約束しない。非平和的手段は最後の手段としての選択肢となる」と付け加えた。
白書は、民進党当局を取り除かなければならない障害とし、米国やその他の外部勢力による「台湾を利用して中国をコントロールする」試みは失敗に終わるとした。
同日、記者団から「最後の手段」とは何かと問われた駐オーストラリア中国大使の肖千氏は、自分で解釈すればいいと答え、台湾の将来は中国の14億人の国民が決めることだと述べた。
ペロシ氏の台湾訪問に同行した米下院外交委員会のグレゴリー・ミークス委員長は、ワシントン・ポストとのインタビューで、「現状を変えたいと思っているのは北京だけで、(台湾に)行く前からそういう攻撃的なことを言っているのは北京だけだ」と述べた。
ミークス氏は、今回のアジア歴訪での台湾訪問がかなり重要で、米国が現状維持を支持することを明確にしたかったと述べた。「台湾のように、仲間がそうやって脅かされるときこそ、一緒にいてくれる仲間が必要だ。我々はそこで何が起こっているのかを知っているので、友人たちには、私たちがそこにいて(サポートして)、見捨てないということを知ってほしい」
台湾側では、最新の世論調査で、台湾人の多くが中国との統一を望まず、台湾海峡の関係が今のままであることを望んでいることがわかった。
1993年と2000年の過去2回の白書は、統一後に「台湾に駐留軍や行政官を派遣しない」とし、台湾が中国の特別行政区となった後も自治を認める方針を示していたが、最新の白書にはそのような文章はない。
(翻訳・藍彧)