中国の経済低迷は紛れもない事実であるが、体制内の専門家は、不動産崩壊後による経済全体への影響ではなく、1998年のような失業の波が再び起こった場合、中国共産党がどう対応するのかを懸念している。
1998年の失業の波から24年が経過した。その悲惨な失業の波は、当時の中国全土を席巻し、特に東北地方の多くの国有企業など北部の一部の工業都市を直撃し、数万人規模の解雇が頻発し、失業によって都市が急停止することさえあったのだ。
失業の波は中国共産党が一手に計画して開始されたもので、当初の目的は国家の経済負担を軽減することだったが、具体的な施行には腐敗がつきまとうものだった。幸いなことに、当初の中国の経済規模は小さく、解雇された労働者は民間企業に吸収された。解雇の影響が個人や民間資本に及ぶと、中国共産党の権力者はこれに乗じて膨大な富を獲得し、重要な分野を掌握し始めた。
今回は違う。制度内の専門家は、中国経済の低迷がこのまま続けば、再び失業の波が起こった場合、失業者の引き取り手がもうないことを懸念している。前回の失業の波が中国共産党によって意図的に仕組まれたものだとすれば、今回の失業の波は、中国共産党が減速や回避しようとしているものだ。
最近、未完成物件の所有者らが、最も惨めな人たちと言われているが、失業の波が来れば、これらの人たちを含め、さらにひどい災難に見舞われることになる。
さらに懸念されるのは、政府が意図的に事態をごまかそうとしていることだ。統計局は、7月の貿易黒字が1012億6000万米ドルで81.5%拡大したというニュースを利用して、偏った方法で全体の問題を見過ごそうとしている。
中国共産党の統計局は昨年、中国には2億人の柔軟な労働力があり、そのうちのかなりの割合が宅配便の配達をしなければならず、実際、これらの業界は今後さらに増える失業者を解決することはできないと発表した。
中国の現状は、事実を知っている人は心配し、事実を知らないでプロパガンダを信じる人は自信満々である。中国経済はまだ健全で、米国を追い抜くのも時間の問題だとさえ思っているようだが、実は中国経済はもう重くて戻れないところまで来ているのだ。
(翻訳・藍彧)