中国では経済事件が多発している一方で、海外では「一帯一路」のインフラ計画のために融資を受けた国が、返済できない債務が増えていると、中国語版「ドイチェ・ヴェレ」が7月28日に評論記事を掲載した。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、返済不能になった融資を延期するよう北京に懇願する国が増えているという。米調査会社ロジウム・グループの研究報告によると、総貸付件数の16%に当たる約1180億ドルの債務が返済不能に陥っているという。
記事によると、銀行、不動産、融資という3つの危機は、中国社会の結束力の基盤と中国共産党の指導力を揺るがすことを意味する。
一帯一路の貸付危機には外交・安全保障政策上の理由があるかもしれないが、他の2つの危機は内因に由来するという。少し前まで、中国国内の不動産や銀行業は規制されていなかったり、規制が不十分だったりして、過剰な貸付や操作行為を招いていた。ここ1年間、中国共産党指導層は、規制強化によって不動産を統合しようとしたが、本質的には小市民を守るためというより、これらの企業に出資している党系企業の支配力を拡大するためであった。
中国ではかつて住宅市場が中流階級の投資市場として捉えられ、価格が上昇し続く中、デベロッパーは安い貸付でどんどん家を建てることができたと指摘されている。しかし、これらの物件は現在、徐々に値下がりしている。いったん国民の富が破壊されれば、失業と貧困に直面し、反乱が遠くないと記事が述べた。
記事は最後に、巨額の資金を飲み込む恐れのある中国の3つの危機を考えると、中国共産党はすべての危機を金で解決することはできず、保障が損なわれる可能性のある中流階級が、1989年以来見られなかった抗議の波を起こす可能性があると結論付けている。
(翻訳・藍彧)