中国の不動産開発最大手「碧桂園」(ネット写真)

 中国の経済・不動産危機の影響からは、富豪も免れていない。中国の不動産開発最大手「碧桂園」の代表で、アジアで最も裕福な女性である楊恵妍氏は、その財産の半分以上が蒸発した。

 ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、中国で不動産開発最大手「碧桂園(カントリー・ガーデン)」の専務取締役兼共同会長で、アジアで最も裕福な女性である楊恵妍(41)氏は、中国の不動産危機が深刻化したため、資産が約240億米ドルから110億米ドルに減少した。碧桂園の株価は今年に入ってから半分以下まで下落した。中国の住宅価格は、購入者の需要が減退し、開発業者が債務不履行の危機に苦しんでいるため、今年に入ってから下落している。昨年来、債務不履行の危機が中国の大手開発業者を巻き込んでいる。

 中国共産党(以下、中共)の最高幹部は、企業や個人への融資を銀行に呼びかけを繰り返したにもかかわらず、金融システムには資金が滞留し、実体経済における流動性は厳しい状況が続いている。

 中共中央政治局は28日に経済会議を開き、「ゼロコロナ」方針の堅持を改めて表明し、インフラ投資が安定成長の手がかりだと指摘した。不動産において、建物の引渡しを確実にするために地方政府の責任をコンパクトにすることが重要であると強調した。

 ロイター通信29日の報道によると、中共最高指導部が同会議で、これまで明確に主張してきたGDP成長率の目標数値を放棄し、「最良の結果を得るために努力する」という、より曖昧な表現を採用した。中共の最高経済会議として、上半期の経済を総括し、下半期と経済の方向性を示す政策調整を行う重要な会議にもかかわらず、今回の会議は今年の経済成長目標については一言も言及しなかった。これは、中共が今年中の経済成長の目標を断念した可能性が高いことを意味するという。

(翻訳・徳永木里子)