米国のナンシー・ペロシ下院議長は29日、米議会代表団を率いてアジアの訪問を開始した。その行程に台湾への訪問が「暫定」として記載されている。
米NBCは2人の情報筋の話を引用し、ペロシ氏が率いる米議会代表団は29日にワシントンを出発した。出発時に台湾に行くかどうかは不明だったと述べた。2人の情報筋のうち1人が実際に見た28日午後に訪問の日程表では、訪問先に日本、韓国、マレーシアとシンガポールの他、台湾も含まれ、台湾への訪問は「暫定」と記されたという。
米ブルームバーグ・ニュースも、ペロシ代表団が29日に出発したと報じた。29日は、8月の米議会休会前の最後の出勤日でもあるという。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)がペロシ氏の訪問計画を最初に明らかにして以来、中国共産党政府から強い反発があった。中国外交部(外務省に相当)や国防部(国防省に相当)の報道官は、ペロシ氏の台湾訪問は深刻な結果を招くと繰り返し警告した。
中国の習近平国家主席は28日、米国のジョー・バイデン大統領との電話会談で、台湾問題について「火遊びは身を滅ぼす」と脅し、いわゆる「台湾独立」や外部勢力の干渉に断固反対する姿勢を改めて強調した。バイデン氏は、台湾海峡の平和と安定を損なうことには反対であると述べた。
中国のソーシャルメディアではこのほど、中国の軍用機がペロシ氏の飛行機に同行し、一緒に台湾に入るという話も飛び交っている。
米軍はペロシ氏の安全保障計画を策定している。インド太平洋地域への米軍の配備を強化し、台湾への渡航・滞在中に米軍機、軍艦、偵察機などの軍事施設を利用し、ペロシ氏の安全を保護する計画である。
26日にシンガポールを訪問した米空母「レーガン」は、定期的なパトロールのために南シナ海に戻り、艦載固定翼機の発着飛行、海上攻撃、空海連携訓練などを行う予定である。
(翻訳・徳永木里子)