中国軍の実弾訓練(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国軍は30日、台湾からわずか100キロしか離れていない福州市の平潭(へいたん)島の周辺海域で実弾射撃訓練を行った。平潭島は台湾に最も近い中国の島とされており、ペロシ米下院議長の台湾訪問計画を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

 地元海事局の発表によると、中国時間30日午前8時から午後9時まで平潭島付近の海域で実弾訓練を行うため、付近の海域を進入禁止とした。

 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)によると、平潭島は台湾海峡を挟んで台湾本島と約120キロの距離にある。

 ネットユーザーが投稿した動画からは、30日未明から、実弾射撃訓練が始まっていたことがわかる。ネットユーザーは、夜間の発砲は外部に見せるためのもので、そうでなければ昼間に実弾を射撃しても、見られる人は少なく、はっきりとした動画も撮れないからだと述べた。

 動画では、中国軍が陸上から大量の榴弾砲やトレーサー弾、照明弾を発射している様子が映っている。また、中国軍が陸から榴弾砲を発射したという動画もある。

 報道によると、中国共産党は、ペロシが台湾訪問すれば、深刻な結果になると繰り返し警告している。しかし、今のところ、中国軍は台湾に最も近い福建省で大規模な集結や異動は見られていないが、台湾から離れた杭州や上海では、水陸両用戦車などの軍用車両を積んだ列車が大量に目撃されている。

 ネット上の動画では、、浙江省杭州市では7月30日、ある列車が大量の水陸両用戦車や軍隊輸送用の貨車を載せている様子が映っているが、行き先は不明。また、7月29日には、上海や杭州付近でも大量の軍隊の集結と移動が確認された。

 戦争が起こる可能性のある台湾海峡から遠く離れているため、こうした部隊の移動は一般的かつ日常的なものである可能性があると、一部のアナリストが指摘した。しかし、この重要な時期に、公で大規模な軍隊・軍備を移動するのは、大半が故意に外部に見せているか、あるいは中国共産党の小粉紅(未熟な共産主義者)を元気づけようとするために行われている可能性が高いという。

(翻訳・藍彧)