南極(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 6月中旬に到来した猛暑により、ほぼ全世界が早くも暑さに見舞われている。その結果、雪や氷河も驚くほどの速さで溶けている。

 複数のメディアによると、ヨーロッパ全土に熱波が押し寄せ、雪や氷河の融解も例年より速いペースで進んでいるため、登山道の危険性が高まり、一部のクラシックルートが早めに閉鎖されたという。アルプス山脈など代表的なルートも今、閉鎖を余儀なくされている。

 スイス山岳ガイド協会のピエール・マセイ事務局長は、マッターホルンやモンブランなどを含むアルプス山脈のいくつかの山で、すでに警告標識が現れていると述べ、この状況は例年より早く来て、本来8⽉になってから一部の登⼭ルートが閉鎖されるが、現在では6月末から7月にかけて始まったと指摘した。

 雪解けによる危険性から、スイスのユングフラウ山頂に観光客を案内することをためらう高山のガイドもいる。これは100年ぶりだと言われている。

 氷河の融解は、氷の融解と蒸発によって引き起こされる現象であると報告されている。太陽の直接放射と地表近くの大気乱流交換は、氷河の融解を引き起こす主な熱源であり、氷の表面特性、氷河の高さと勾配、及び気象状況も融解に影響を与える。

 氷河の融解による主な影響としては、まず、氷河の融解水が海に注入されることによる海面上昇。次に、氷河融解による固体貯水量の減少による水不足があげられる。また、氷河の融解は観光業にも大きな影響を与える。

 現在、全世界の氷河の総面積は約1500万平方キロメートル。統計によると、2004年から2015年の間に氷河の大きさは30%縮小し、2019年の調査では、このままでは今後25~30年の間に氷河が消滅すると予測されている。

(翻訳・藍彧)