電子レンジは食べ物を温めるのにとても便利ですが、一部の食品や容器は、電子レンジで温めると非常に危険です。誤って加熱すると電子レンジが故障するだけでなく、爆発や火災になる恐れもあります。
それでは、電子レンジで加熱すると危険なものを、皆さんにいくつか紹介します。でもご自宅での実験は絶対にしないで下さいね!
1.殻付きの卵、ゆで卵
従来の加熱方法は外側から内側への加熱方法ですが、電子レンジの加熱方法は均一加熱です。そのため、電子レンジで卵を加熱すると、加熱により内側にある卵黄の水分が蒸気化するため、卵黄が膨張し、卵黄を包む膜が圧力に耐えられなくなると、卵が爆弾の様に破裂してしまいます。
生卵であれば、溶きほぐすか、爪楊枝などで卵黄に穴を数か所あければ、加熱できます。ゆで卵は、半分にカットすれば加熱できます。
2.鬼皮付きの栗
原理は生卵と同じです。電子レンジで加熱すると栗の内部の温度が上がり、水分が蒸気化し、栗の鬼皮が圧力に耐えられなくなると爆発してしまいます。
もし電子レンジで加熱する場合は、鬼皮に切り込みを入れてから加熱します。
3.食用油脂
牛脂、バターやココナッツオイルなど、脂肪分が多く含まれるものは、高温により脂肪分が密閉された空間に飛散してしまいます。量が多い場合は、電子レンジが発火する恐れもあります。
直接、油に触れないように深い容器に入れ、ラップをかぶせ、加熱し過ぎないよう注意しましょう。
4.厚みのある大きな肉
厚みのある肉も、そのままでは内部の水蒸気の逃げ道がないので、加熱し過ぎると爆発します。
鶏肉も薄皮があるので、加熱する際は、フォーク等で数ヶ所穴をあけ、容器にふんわりラップをかけて温めましょう。
5.脂肪が多く水分が少ない食品
揚げ物やナッツなどの食品は、電子レンジで加熱すると温度が急激に上昇し、割れたり焦げたりしやすくなります。
6.薄い皮や膜に包まれている食品
ソーセージはもちろん、明太子やイカなど、表面に薄い膜がある食べ物は、中身が高温により膨張し、薄膜が耐えられず爆発する恐れがあります。
電子レンジで加熱する際は、加熱前に、食べやすい大きさに切ったり、丸ごと入れる場合は表面に数ヶ所の穴を開けたりすることをお勧めします。
7.粘度の高い液体
トマトスープやコーンスープなど、粘度の高く濃厚なスープは、煙が出て、突沸といって瞬間的に沸騰し電子レンジ内に飛び散ることがあります。
温める際は、必ずラップをかぶせましょう。
8.唐辛子やドライフルーツ等の乾物
乾物は、水分がほぼ無いので発火の原因となります。唐辛子にはカプサイシンが含まれており、鷹の爪などの乾物は加熱すると発火し易くなります。また、高温の唐辛子から放出される化学物質は目を刺激し、喉を火傷する可能性があります。
9.果物
果物には水分が多く含まれており、加熱すると蒸気が発生し、爆発しやすくなります。また、一部の果物には塩イオンが含まれており、電子レンジの振動により、強いプラズマが発生し発火します。例えば、ブドウ、ブルーベリー、ミニトマトなどの果物を電子レンジで加熱すると、爆発する可能性があります。
10.ペットボトルや缶
暖かい飲み物として、コンビニ等で販売しているものでも、そのまま電子レンジで温めてはいけません。
必ず、電子レンジ対応の容器に移し替えてから温めて下さい。
11.プラスチックの容器
テイクアウトのお弁当の容器も、電子レンジで使えないプラスチック製のものがあります。温める時は、耐熱性の皿などに移しましょう。電子レンジに入れることができるプラスチック製品はポリプロピレン製品のみです。「電子レンジ対応」のマークがないプラスチック容器を電子レンジで加熱しないで下さい。
また、食品用のラップにも110℃や140℃などの耐熱温度があり、電子レンジで加熱した時、油脂などに接触していると、時々溶けることがあります。
ラップは燃えると有毒ガスが発生しますが、溶けた場合は、有害ではないので、取り除けば一緒に温めた食品は食べられます。万が一少量食べてしまっても、大丈夫です。
12.鉄製の容器
鉄製の容器を電子レンジで加熱すると、火花が出て最悪の場合電子レンジが故障してしまうので注意しましょう。
上記以外にも、アルミホイルや紙製の容器なども電子レンジで加熱すると火災を引き起こす可能性があります。また、最新のオーブンレンジ等は、スチーム機能やオーブン機能があり、機種や設定によって、ゆで卵がつくれたり、鉄製の容器が使えたりします。
皆さんは、電子レンジに付属する取扱説明書等をご覧になり、良くご理解の上、電子レンジを安全かつ正しくご利用頂ければ幸いです。また、重ねて申し上げますが、ご自宅での実験は絶対にしないで下さい。
(翻訳・宴楽)