令和4年版の防衛白書(防衛省・自衛隊のTwitterより)

 安倍晋三元首相の国葬を9月27日に日本武道館で行うことが22日に決定した。同日午前の閣議で、台湾情勢に関するページ数を昨年度の2倍に増やした2022年版防衛白書も了承した。

 日本の産経新聞の台北支局長、矢板明夫氏は22日の分析で、今日、日本で2つのことが起こったと述べた。

 1つは、安倍元首相の国葬を9月27日に行うことを決定したことである。9月29日が日中国交正常化50周年であり、日中両政府はかなり前からさまざまな記念行事を準備していたため、この日は非常に意味深い。中国はこの機会に日本との関係修復を期待しており、この時期に中国の習近平氏が日本を訪問し、日中友好の雰囲気を作るという話もあるほどだった。

 矢板明夫は、国葬を9月27日にすることで、日本は中国に対して「日中国交樹立50周年を祝う気は全くない」と表明したことに等しいとみている。過去の慣例に従えば、9月29日には国葬のために東京に行った多くの外国首脳がまだ帰国しておらず、日本の要人も接待に追われて中国に関心を持たず、習近平氏が第20回党大会までに日中関係を修復するという夢を打ち砕くことが考えられる。

 2つ目は、2022年版の「防衛白書」を発表したことだ。

 2022年版国防白書では、近年激化している軍拡を進める中国の動向を「安全保障上の強い懸念」と改めて指摘したうえで、台湾海峡の安全保障上のリスクも長々と記述している。防衛白書は、昨年来、安倍氏がたびたび訴えてきたいくつかのポイントに言及し、その内容も「台湾は日本の重要なパートナーであり友人である」「台湾情勢の安定は日本の安全と国際社会の安定に不可欠」とまで強調している。中国外務省は「強烈な不満を表明する」として日本側に申し入れをした。

 2022年版の防衛白書には、台湾の安全保障に関する記述が昨年版の2倍となる10ページにわたって盛り込まれており、台湾問題に関する防衛白書としては最も多く記述していることが分かった。

(翻訳・藍彧)