香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは20日、中国軍の急所(アキレス腱)を暴露する記事を掲載した。第20回党大会とは別に、7月末の政治局会議と北戴河の連休という中国共産党の2大イベントを控えている時期に、同記事を掲載した同紙は、その背後にある勢力が関係している可能性が高い。
米軍の上級専門家らは19日、ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で、中国軍の兵站は「驚くべき不行き届き」、戦争が勃発すると、中国共産党の空軍は2週間程度も持たないだろうと推定していると、同記事に書かれていた。
中でも、国防省の上級アナリストであるジョシュア・アロステギ氏は、中国軍がかなりの人数を擁しているが、補給船から航空機整備パッドまでの補給インフラが不十分であることを突き止めた。兵站供給システムが「中国軍の急所であると言える」と同氏が述べた。
アメリカ国防情報局の元東アジア防衛情報官ロニー・ヘンリー氏は、中国軍の輸送部門と装備が、長距離作戦には不十分で、2週間程度しか戦闘を維持できないと推測している。
現在の中国軍の兵站システムは、習近平氏が2015年の軍事改革を通じて、総参謀部、総政治部、総兵站部の3総本部制を実際に解体し、江沢民の据えた部下を軍から排除し、統帥権を習近平氏に戻すことを目的に確立したものと言える。サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は、中国軍の急所を明らかにしたのは、習氏の軍事改革に疑問を呈するためのようだ。
同記事は、習氏の台湾攻撃の意図は単なる自慢に過ぎないということを直接的に述べているに等しいと言える。ジャック・マー(馬雲)と江沢民・曾慶紅の一族がサウスチャイナ・モーニング・ポストの背後勢力であるため、第20回党大会に向けて問題をかき回しているとの見方もある。
前回の中国共産党の交代、つまり第19回党大会の前にも、同紙は当時常務委員会に入った習氏の側近だった栗戦書氏をターゲットにして、彼の家族の腐敗の内幕を明らかにした大ニュースを作った。 今回も、さらに踏み込んで、中国軍の急所を隠すことなく報道した。
(翻訳・藍彧)