中国の大手不動産会社「恒大集団」(Wpcpey, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国不動産大手の恒大集団は4日、広東省広州市にあるサッカースタジアムが建設途中で、プロジェクトの完成ができなくなると発表した。

 中国メディア「財新網」によると、政府部門と同社の最終的な解決策は、55.2億元(約1100億円)で土地を返還し、再提供にすることだという。この土地で同社の損失は12.55億元(約250億円)にのぼる。

 2020年4月、恒大は総面積50万平方メートル近い同地を底値68.13億元(約1360億円)で買収した。同地に120億元(約2400億円)を投じて10万人収容のサッカースタジアムを建設し、2022年に完成させる予定だった。しかし、昨年後半に開発不能となり、譲渡が望まれていた。その後、広州都市開発自然資源局は、このプロジェクトについて恒大との買収合意に至らず、最終的に政府への返還という解決策を選択した。

 恒大は、スタジアムの建設計画は中断されることなく、土地の引き渡しとともに、広州都市開発自然資源局がその後の工事を担当することになると主張した。

 この土地では、サッカースタジアムを着工したが竣工しておらず、周辺の補助住宅も多数販売済みになっている。今後の問題点をどう解決するかが、恒大集団、広州市政府、広州都市開発自然資源局の三者の投資交渉の重点になる。

(翻訳・徳永木里子)