中国共産党政権建立70周年を祝う軍事パレード（イメージ：YouTube Screenshot）
中国共産党政権建立70周年を祝う軍事パレードが1日、天安門広場で行われた。中国共産党トップの習近平国家主席がスピーチを行った後、大規模な軍事パレードと10万市民のパレードが行われた。
中国中央テレビ(CCTV)によると、軍事パレードは観兵式と分列式の二段階に分けられる。分列式では旗を掲げた航空チーム、歩兵チーム、大型の武器チーム、航空チームの順で天安門広場を通過した。今回の軍事パレードは59個のチームと一つの軍楽団を含む、総勢約1万5千人の軍人、航空機160機、大型の武器設備580台が投入された。
今回は中国共産党政権史上最大規模の軍事パレードである。しかし歴史を常に繰り返される。歴史を紐解けば、建国以来最大規模の軍事パレードを行なった直後に崩壊した事例があるのだ。
1989年10月7日、ドイツ民主共和国（東ドイツ）建国40周年の記念日に、東ヨーロッパの共産党政権のトップが東ドイツに集結し、大きな軍事パレードが行われた。その時、彼らはまさかそれが最後の祝いだと意識しなかった。
東ドイツの債務は重く、国の財政は崩壊しかけていた。国民は政府に対する不満は爆発寸前だった。しかし、東ドイツの共産党（ドイツ社会主義統一党）の党首、エーリッヒ・ホーネッカー（Erich Honecker）は東ドイツの状況が最高であると言った。1989年1月、ホーネッカーは「ベルリンの壁はその存在する理由がある限り、あと50年も100年もずっと存在するだろう」と宣言した。
ホーネッカーは共産党のリーダたちと宴会を行っていた時、東ドイツの国民は各都市でデモを開催した。特に、10月9日の東ドイツの二番目に大きな都市ライプツィヒ（Leipzig）では、7万もの市民がデモ行進した。10月17日、すなわち大規模な軍事パレードを行った10日後、東ドイツ共産党の政治局の会議中に、ホーネッカーが失脚した。
ホーネッカーが失脚してから、東ドイツの経済真相が明るみに出た。実は、東ドイツの経済は崩壊寸前だった。ホーネッカーがずっと外国から秘密裏にお金を借りて東ドイツの経済を支えていた。1989年10月、東ドイツの外国債務は260億米ドルになった。これは国家収入の三分の二に相当し、支払う利息だけでも45億ドルになっていた。この債務問題を解決しようとすれば、東ドイツ国民は日常生活の支出を30％減らさなければならなくなる。大きな軍事パレードを行った日から一カ月も経たないうちに、ベルリンの壁が崩壊した。11月9日のことだった。さらに12月4日、東ドイツ共産党の政治局の全員が辞職し、東ドイツ共産党（ドイツ社会主義統一党）が解散された。
YouTubeで30年前の東ドイツの大きな軍事パレードの動画を見た時、多くの人はその規模に衝撃を受けただろう。しかし、そのパレードの後、この共産党政権の弱い本質と内部の闘争が披露され、そのパレードが最後の祝いになった。
現在、米中貿易戦争下の中国は経済が脆弱化している。中国国内市場で豚肉の供給量が不足しただけで中国共産党政権の安定に影響を与えた。中国の重要な都市・香港では「逃亡犯条例」改正案反対運動が4カ月間続けている。700万の香港市民の中に200万人がデモに参加し、中国共産党にノーを突きつけた。特に、北京の大規模な軍事パレードの直前、9月27日には、香港のライオンロックに「天滅中共」の巨大横断幕が掲げられた。さらに9月29日、香港に「一党制を終わらせよう」の巨大横断幕が現れた。
北京は国慶節 香港は国殤の日：
10月1日のデモでは大量の冥銭が撒かれました。冥銭は死者のために撒かれたり焚iたりするあの世のお金です：
三十年前まで、中国共産党の指導部は「ソビエト連邦の今日は中国の明日である」と宣伝した。そのソビエト連邦（1922年―1991年）は建国70年、すなわち1991年に崩壊した。今年は中国共産党政権の70周年だ。もし「70のジンクス」が当てはまるとすれば、今年のパレードは見納めとなるだろう。
1989年10月7日、ドイツ民主共和国（東ドイツ）建国40周年の記念日の大きな軍事パレード：
（翻訳編集・黎宜明）