現代社会では、大勢の人が会社で働きます。忙しい毎日に、仕事のプレッシャーに直面している一方で、上下関係も対処しなければなりません。これは多くの人の頭を痛める問題です。この頭痛に特効薬はないのですか。
最近、看中国記者は、法輪功学習者の付偉彤(ふ・いとう)さんを取材しました。アラサー女性として、法輪功修煉を始めたことから会社での人間関係の対処法について詳しく話して頂きました。
記者:付さんは、子供の頃から法輪功を修煉してきました。少女として、お母さんに法輪功を学ぼうと言われた時、抵抗はありませんでしたか?
付さん:小学生になったばかりの頃は少し抵抗がありました。外に出て遊びたいという思いが強かった時期でした。小学6年生で法輪功の本を読み始め、何をすべきなのかが分かるようになりましたので、次第に抵抗がなくなりました。友達をいじめたこともありましたが、法輪功の本を読み始めてからは「真・善・忍」の理と「失と得」の関係を知り、人を傷つけることをやめました。そして、子どもの頃は周りに男の子が多かったので、男の子とばかり遊んで男の子っぽくなっていました。大人になってから、師父の説法を学んで、伝統的な女性のあるべき姿を知りましたので、少しずつではありますが、伝統的な女性を意識しながら行動するよう心掛けるようになりました。
記者:修煉の中で一番印象に残ったことは何ですか?
付さん:一番印象に残ったのは、初めて私が日本に渡ってきた頃のことです。あの頃私はまだ二十歳でした。故郷にいる家族みんなが色々なことを助言してくれる中、私を最も気にかけてくれて大切に育ててくれた母が言ったことです。「私からあなたに何も教える必要がないの。どんなことも師父が説いた法理にすべての答えがあるから。私はあなたを信じているし心配なんてしてないわ」としか言いませんでした。あれから十数年もの間、私はずっとあのときの母の言葉が胸に焼き付いています。法輪功の本の法理に従ってきたので、道徳観が低下している今のご時世でも、私は身を清く保ち、世俗に染まらず、伝統的な女性のあるべき姿を維持することができます。この点について、私はどうすればいいのかを母に聞いたことがありません。聞く必要もありません。法輪功の本にすべて書かれているので、それに従っていれば大丈夫です。物欲があふれる今のこの世の中で、名利心や誘惑に駆られることなくいられるのは、すべて法輪功を修煉しているからなのです。
記者:素晴らしいですね。そんな付さんは職場で、他人との利害関係による対立に、どのように対処してきましたか?
付さん:最初の頃は、損得勘定にこだわる執着心が取り切れておらず、不利益を被ったときには怒っていました。後輩が仕事を上手くできないのを見ると、自分の仕事にも影響するので、そんな時にも私は怒っていました。しかし師父は、修煉者はトラブルに遭遇したとき、自分の内に向かって原因を探すべきだと仰いましたので、後輩の仕事に問題があるのなら、それは自分にも責任があるのではないかと考えるようになりました。先輩として、後輩たちにプレッシャーを感じさせるばかりではなく、働きやすい仕事環境を作ってあげる必要があると思っています。例えば仕事でミスをしても、私はそれを受け入れ、サポートしてあげることができるのだと伝えたいです。
記者:これは貴重なお話ですね。働く環境がとても重要だと思います。
付さん:そうですね。後輩の仕事がうまくいかないと、私は内心では怒ってしまいますが、その腹の内を後輩に見せたくないのはもちろんのこと、なにより頼れる人だと感じてもらえるよう努力しています。
記者:会社では、上司が大きなプレッシャーをかけることがありますね。そんなプレッシャーをかけられた時、付さんはどのように対処しますか?
付さん:そういった場合は、自分で解決できることなら頑張ってなんとかします。しかしそれと同じようなプレッシャーを自分の後輩にかけることはしません。後輩がミスをした場合は、私は潔く上司に謝りに行きます。もちろん、ミスをしたのは後輩なので、ミスであることを理解させたうえ、同じミスを起こさない方法を助言しますが、後輩に責任を負わせることはしません。人間はミスをするもの。ミスをしたことがない人はいないのではないですか。なので後輩にはミスから学び、今後に繋げていけるよう導きます。後輩は全員20代前半の若者で、社会に出たばかりで経験が浅く、ミスはつきものであることくらい理解できます。
記者:付さんはすごく仕事ができるから、後輩のミスも難なくカバーできるという事でしょうね?
付さん:それほどではありません。会社の立場で物事を考えることが重要なのです。一個人ではなく会社全体における規模で大きく捉えて考えていれば、大体のミスがカバーできます。カバーできないミスがあった場合は上司に相談します。まず事象の背景を詳細に報告します。問題が発生する原因を突き止め、あらゆる可能性を踏まえた上での今後の再発防止策を説明し、上司からの意見にも耳を傾けます。
記者:問題の背景と解決策を上司に説明できるのは素晴らしいですね。
付さん:そうする必要があるからです。職種の関係で、ミスを犯したら弁償問題になります。私たちのミスのせいで、会社に金銭の損失をもたらします。
ある時、後輩の仕事がうまくいかなかったので、会社が大打撃を受けました。私はあの後輩に話しませんでしたが、別の同僚がこのことを後輩に打ち明けたら泣きだしてしまいました。私が最初に入社したときに似たようなミスをしたことがあるよと、後輩を慰めました。一度つまずけばそれだけ賢くなります。教訓を得て、肥やしにすれば良いのです。
また、ミスをした人以外の人は、そのミスの経緯を共有する必要があります。みんなの経験にするのです。助け合いの精神で仕事をこなし、経験を積み、チーム一丸となって力をつけていく。それでこそ、仕事をうまくこなしていくことができるのです。
記者:つまり、自分の立場ではなく、相手の立場で物事を考えることですね。相手が後輩だったら後輩の立場で、相手が上司だったら上司の立場で物事を考えるということでしょうか。
付さん:そうです。そうしなければ、仕事を上手くこなすことはできません。時折、会社の経営者からも、このような問題をどう解決するのか、今後はどう回避するのかと聞いてくることもあります。ですから、仕事がうまくいくようにするためには、自分だけの立場ではなく、異なる立場から考える必要があるのです。
以上、アラサー女性付さんの会社での上下関係の対処法を紹介しました。職場での上下関係に悩むあなたに、付さんの経験が少しでもヒントになれると幸いです。
(文・徳永木里子、黎宜明/翻訳・宴楽)