中国広東省は今年、前例のない大洪水に見舞われている。中でも、広東省北部の清遠市と英徳市の被害状況は特に厳しい。中国共産党中央党校の元教授で、米国在住の蔡霞氏は6月28日、英徳市が支援を求めている写真数枚をツイートし、これらのニュースは中国共産党のネット検閲によって封鎖されたことを批判した。
蔡霞氏は、「広東省の友人が助けを求めいている、広東省は洪水に見舞われている。WeChat(微信)に投稿されたこのような(被害)写真は、中国共産党のウェブ管理当局によって直ちにブロックされた。中国共産党は本当に人情のかけらもなく、毎日、国民が第一、人命が至上と叫んでいるが、国民が被災している情報を全面的に封殺している」と書いた。
写真は助けを求める記事のスクリーンショットで、「広東省北部全域で、5月21日から雨が止んだことがない」「この水害はすでに半月以上続いている」「6月22日、北江の英徳市のダムは史上最高水位を記録し、最高水位は36メートル近くに達し、警戒水位を10メートル以上超え、空前の洪水が到来した」と書かれている。
しかし、メディアの報道を調べてみると、江南(長江下流部の南方の地域)が水没したのは5日前のニュースだという。24日の新浪網の報道では、「英徳市はまだ洪水に浸かっている」と報じた。それ以降、中国のネット上では被害状況に関する続報はなかった。
ウェイボー(微博)で英徳市や広東省の洪水を検索すると、警察がいかに勇敢に被災者を救助したかなど、公式メディアのプロパガンダ一色である。
ウェイボーアカウント「中国気象愛好家」は、今回の洪水が発生した北江は、珠江水系の中でも、西江に次ぎ大きな支流で、非常に重要な位置にあり、求心型な水構造で本流の水位が急上昇しやすいと同時に、洪水は珠江デルタの先頭で発生したため、珠江デルタへの脅威も非常に大きいと分析した。
(翻訳・藍彧)
広東省英徳市(@社畜梅子在努力变好より)