(イメージ:看中国)
今年、中国共産党はその果てに直面している。共産党文化の輸出、技術の窃盗、スパイ行為や不平等貿易などに対し、アメリカを中心とする西側の抵抗による反共産党の声が世界中で上がった。それに伴い、「アジアの真珠」と称された香港で「逃亡犯条例」改正案をめぐる反対デモが起こり、数百万もの香港人が人権と自由のために立ち上がった。
ハリウッドの有名な華僑漫画家、郭竞雄氏がこのデモ活動のために九枚の絵を描いた。
一、『香港頑張れ』
一枚目の絵では、上空に邪な(よこしまな)竜が浮かんでおり、金槌と鎌を印にしている。その下に一人の若者が立ちはだかり、彼は香港人を代表している。中国共産党は「一国二制度」「香港自治」「五十年変わらぬ」という約束をした。しかし、かつて「一国両制」に夢を持つ人々がどんどん目覚め始めた。香港の自由と人権は共産党の目の敵であり、その富は中国共産党の垂涎(すいぜん)の的である。1997年に英国から返還されて二十年余りが過ぎ去り、中国共産党の象徴である邪悪な竜が爪を香港に伸ばそうとしている。
「香港加油」(香港頑張れ)と祈るしかなかった。
二、『希望』
二枚目の絵は、催涙や胡椒のスプレーを防御するため、一人の若者が黄色い傘を差している。香港人は2014年9月26日、「真の普通選挙」を求め、「雨傘革命」と呼ばれた「平和的に中環(セントラル)を占領する運動」を行った。黄色い傘は太陽や希望を象徴し、この運動は中国共産党を激怒させた。それから5年が経ち、今年の6月から「逃亡犯条例改正案」に反対するデモで傘が再び登場し、今度は催涙弾にビーンバッグ弾が使われた。200万を超える香港人が街に出て、傘を差して香港の未来と希望を嵐から守っている。
三、『善良と正義』
三枚目の絵では、ある女の子を主人公としている。彼女は善の表れである。その向かいにいるのは全身武装された香港の警察。「逃亡犯条例」改正案に反対するデモは、人権と自由を守るためであり、善良と正義を守る行為でもある。今回のデモで五つの要求が挙げられた。
(1)改正案の完全撤回;
(2)警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回;
(3)警察の取締りの是正を検証する独立調査委員会の設置;
(4)デモ参加者の逮捕、起訴の中止;
(5)林鄭月娥行政長官の辞任と民主的選挙制度の実現である。
香港の元朗駅で7月21日夜、白い服に覆面姿の男達(三合会という暴力団の構成員と見られている)がデモ参加者の特徴である黒い服の人々を襲撃して木の棒で殴りつけるなどして暴行。デモ参加者や巻き込まれた利用客を含めた45人が負傷した事件では、一人の白い服の人が心臓病で倒れ、彼に殴られていた黒い服の人が救急車を呼んだ。香港人は「平和、理性、非暴力」という姿勢を世界に示した。
香港人はその善良さを持ちながら、抗議活動を続け、「正義が善を導き、善良がすなわち正義である」ことを教えてくれた。
(つづく)
(文・宋紫風/翻訳・北条)