ウェスタンミシガン大学イーストホール(Fbthpg, CC0, via Wikimedia Commons)

 全米学者協会(NAS)の最新報告書は、米国が多くの孔子学院を閉鎖した一方で、多くの機関が中国共産党と私的に密接に協力し続け、米国の教育システムへの浸透を許していることを明らかにした。

 『後孔子学院時代:米国高等教育における中国の継続的影響力』と題されたこの報告書によると、118の孔子学院のうち101校が閉鎖されたが、現在少なくとも28の高等教育機関が同様のプログラムに置き換えられ、58校がかつての孔子学院との密接な関係を維持し、5校がかつての受け入れ機関を別の受け入れ機関に移していることが示されている。

 NASディレクターのレイチェル・ピーターソン氏は21日の発表会で、「中国政府は、孔子学院の名前を変え、プロジェクトの構造を変えさえすれば、アメリカの高等教育界に中国政府の影響力が続いていることを誰も気づかないと考えていることがわかる」と述べた。

 ピーターソン氏は、孔子学院を閉鎖されたウェスタンミシガン大学が翌日の2021年元旦に、孔子学院の元パートナーである北京語言大学と「中国語・文化計画に関する協力」という新たな協定を結んだことを例として挙げた。

 また、米国サウスダコタ州のノーザン州立大学も、2019年に孔子学院を閉鎖した後、中国語交流・協力センターと協定を締結した。センターは中国語教師を派遣し、その給与と旅費を負担し、ノーザン州立大学は教室、教師の宿泊施設、健康保険を提供するという、孔子学院と全く同じ取り決めをしているのである。

 米共和党のジム・バンクス下院議員は21日の報告書発表の際、中国共産党の統一戦線部が依然として米国の大学キャンパスで影響力を行使しようとしていると述べ、議会と政権当局に中国共産党の脅威を真剣に受け止めるよう促した。「孔子学院と中国大学は、米国の大学と協力関係を構築し、政府機関から研究経費を受け入れている。多くの協力はランダムではなく、中国共産党の統一戦線部はSTEMプログラムの充実した大学機関を特にターゲットにしており、近年ではスパイ活動も盛んに行われている」

(翻訳・藍彧)