事前に警告なしに、突然、七一貯水池と峡口貯水池の水を放水した。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国江西省上饒市(じょうじょうし)の複数の県で20日、大雨に見舞われ、河川が急激に増水した。当局は上流の2つの貯水池から警報なしに突然放水し、下流では洪水が発生し、多くの町や村が完全に水没してしまった。

 中国の公式メディアによると、6月19日21時から20日21時にかけて、江西省の7県で異例の特大豪雨、28県で豪雨、43県で大雨に見舞われたという。統計によると、20日5時から20時にかけて、江西省では8つ警報が発令され、その中の1つは今年初の赤色(危害程度が特に重度)豪雨警報であった。

 しかし、公式メディアは、上流の貯水池が洪水を放水したことについて、一言も触れなかった。

 地元住民は、当局が事前に警告なしに、突然、七一貯水池と峡口貯水池の水を放水したと明らかにした。一部の町は完全に浸水し、多くの地域で停電、断水、インターネットの切断、さらに一部の地域では携帯電話の電波も切れていた。住民が避難の準備や移動をする時間がなかったため、甚大な被害を被った。

 地元住民は現在の洪水災害の状況を語った。

 「家族は今、屋根のない家の3階にも閉じ込められており、外は雨が降っている。私の知る限り、放水の事前告知はなく、突然の放水で、多くの人が避難できなかった。中には家に一人でいる高齢者や子供もいたようだ。今回の洪水は天災であるが、人災でもある。なぜなら、政府は事前の告知を全くしていなかったからだ‼️道を歩いているのに、突然の増水に遭う人もいた。地元の村や町は凄まじい状態になっている。水も電気もない彼らは連絡がつかず、本当に焦っている」
「水はすでに建物の半分のところまでに上がっている。全くどこにも行けず、避難もできない。沿岸の住民の安全を無視して、このまま放水し続けるのか」

 地元のネットユーザーが投稿した写真には、どこが川でどこが町なのかわからないほど、川が道路とつながってしまっている、水害の悲惨な姿が写っている。

 ネットユーザーが投稿した動画には、江西省上饒市玉山県の信江で超大洪水が発生し、県全体がほぼ浸水した様子が映っている。

(翻訳・藍彧)