台湾台北市にある東呉(とうご)大学音楽学科4年生の温約瑟氏(男性、24)は20日、グーグルの「マイマップ」機能で作った「中国人民解放軍基地と施設(随時更新)」と題されたマップを公開した。
1200カ所以上の中国軍事施設がびっしりと表示されるアイコンの一つ一つには基地名や説明が記されている。インターネット上に公開されると軍事マニア間でひそかに話題となり、ネット掲示板でさらに注目を集めた。
マップの作成者としてテレビ番組に出演した温氏は、1年前、中国海軍雑誌「艦船知識」が台湾の兵力配置概略図を公表したのを見て、自身も軍事マニアで、中国軍の基地の地図を作りたいと考え、昨年作成に取り掛かったいう。
1年あまりの時間をかけ、ネット上に公開されている情報以外に、海外や国軍の軍学校で発表された論文や、中国政府の公開資料、関連論文、報道機関の報道などにもあたった。グーグルマップや百度(バイドゥ)地図などを利用して同マップを作成した。
同マップに表示された1200カ所以上の軍事施設の中には、中国本土と海外にある中国の陸・海・空軍およびロケット部隊の基地、大型訓練施設、軍事学院、軍需工場などが含まれている。台湾の金門まで5.5キロしか離れていない中国本土の町、福建省アモイ市には約10数カ所の軍事施設があるという。
温氏は、米ラジオ・フリー・アジアの取材に対し、自作のマップは軍事マニアや一般の人に、中国の軍事概況を理解するために使用するものであり、「公開された情報を客観的に表しただけで」、政治的なものではないと述べた。
中国による台湾侵攻の可能性について、温氏は「誰も戦争を望んでいない。中国と台湾が戦うか、それとも平和に共存するかに関わらず、私たちは互いに理解を深めたほうが良いと思う」と語った。
温氏は、中国軍基地マップから認知戦の識別や解読の能力を考えると、台湾が対岸のように何かをすぐに禁止することはできないと述べた。台湾の若い学生は、どれが植え付けれたプロパガンダであるか、どれが本当に役に立つ情報か、情報の真偽を識別する能力を強化すべきなのだ。
同マップは日本時間21日午後6時まで約64万回閲覧された。
(翻訳・藍彧)