中国共産党(以下、中共)はこのほど、台湾海峡が「国際水域」ではないと主張し、国際世論を騒がせた。中共のこの動きは日、米、韓、台の関係をより緊密にし、民主国家のより強硬な対応を招くと見る評論家もいる。
ブルームバーグは匿名の情報源を引用して、中国の政府関係者が最近、複数の公の場で米国側に「台湾海峡が国際水域ではない」という主張を伝えたと明らかにした。
中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は13日の定例記者会見でこの問題に関する質問に答える際、この立場・主張を再度強調した。「国連海洋法条約と中国国内法によると、台湾海峡の海域は両岸から海峡の中心線に向かって延び、中国の内水、領海、隣接地帯、排他的経済区の順になっている。中国は台湾海峡に対して主権、主権権利と管轄権を享有している」とし、「国際水域」という法的概念を完全に否定した。
ワシントンのシンクタンク、グローバル台湾研究センターのジョン・ドットソン副所長によると、王文斌報道官の主張は耳目を混乱させており、中共は領海と排他的経済水域を同じものとして扱いたがっているという。
国連海洋法条約によると、一国の領海は海岸線から12海里で完全な主権を有している。排他的経済水域は海岸線から200海里で資源と経済の権利を持つが、他国は領海を超えた排他的経済水域で航行と飛越の自由を持つ。
ベテラン時事評論家のサンプ氏は、台湾海峡の危機は台湾の安全保障だけでなく、日本や韓国のエネルギー安全保障、海上輸送されるすべての資源の安全保障を脅かしていると指摘した。「台湾海峡において自由で開かれた航行ができなくなれば、韓国と日本の既得の国益に直接影響を与え、その影響は非常に大きいため、米国は日本、韓国、台湾の関係をより緊密にさせるだろう。米国の軍事行動が激化し、この時には中共の出番になるが、受けて立たないだろう」
その際、中共は口先だけの抗議にとどめる可能性が高く、本気で戦う勇気はないだろうと、サンプ氏が判断している。「受けて立つと、中共の第20回党大会の再選挙計画を妨げるし、今のところ、台湾海峡での戦争に勝てる見込みはないのだから、中共がトラブルを起こせば、中共と習近平政権に壊滅的打撃を与える結果になる」
(翻訳・藍彧)