ロシア主導のユーラシア経済連合(EAEU)はかつて、中国政府と「一帯一路」投資協定を締結したことがあり、関係する中国企業が今、二次制裁されるリスクが高まったため、「一帯一路」プロジェクトとの関係を清算しようとしていると、中国のシンクタンクがこのほど明らかにした。
ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスで構成されるEAEUはかつて、親ロシア派の強いブロックとと見なされ、2015年に中国共産党と「一帯一路」協定を締結した。しかし、ロシアのウクライナ侵攻以来、カザフスタンなどの加盟国は西側に寄る動きを見せている。協力プロジェクトに参加した中国企業も次々とリスクを避けている。
香港メディア「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、上海国際問題研究所の発表を引用し、少なくとも5社が欧米からの二次的制裁を避けるため、今年5月末にロシアのシベリアで北極圏液化ガスプロジェクトの作業を停止したと報じた。
また、米カーネギー研究所の関係者は、中国国境からカザフスタン、ロシア、ベラルーシの領土を走るトランス=ユーラシア・ロジスティクス(中欧班列)も廃棄されたと指摘した。中国共産党政権はもともこの列車を利用してEUとの貿易を活発化させたいと考えていたが、東欧で戦争が勃発した後、このルートで物資を輸送しようとするEU諸国はほとんどなかった。
中国共産党の政府関係者が、米国メディアに語ったところによると、ここ数週間、ロシア政府は北京により多くの支持を提供するよう求めているが、北京は現在、欧米の制裁に違反せずに対ロ援助を拡大する方法を見つけることが困難な状況にあるという。北京が今一番恐れているのは、欧米からキーテクノロジーの供給がストップし、金融システムが打撃を受けることだ。
(翻訳・藍彧)